建設業界再編の波が遂にきた
- アルノ

- 1 日前
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2026.02.21
ここ数年、建設業界において、買収の波が起こっている。
ひと昔前は、合併、買収等は建設業界には合わないといわれていたが、何が変わったのだろうか。
建設業界における買収戦略を推測してみる。
近年の建設業界再編内容
中小建設会社からスーパーゼネコンまで、近年買収が続いている。
主な例を挙げると、以下のようなものがある。
2022年6月 清水建設 日本道路を子会社化
2022年6月 オリックスグループ、ヘクセルワークス(旧六興電気)を子会社
2023年12月 大成建設、ピーエス三菱を子会社化
2025年9月 インフロニア・ホールディングス(前田建設グループ)、三井住友建設を子会社化
2025年09月 大成建設、東洋建設を子会社化
2026年4月 大和ハウス工業、住友電設を子会社
この他にも、日本のゼネコンによる海外企業の買収が行われている例がいくつかあるようだ。
きっかけとなった法改正
要因としてまず考えられるのが、2020年の建設業法改正による建設業許可の承継制度だ。
以前は合併などを行うと建設業許可を取り直す必要があったため、建設業許可がないという空白期間がうまれていたのだが、建設業許可を引き継げるようになったことにより、空白期間をなくすことができるようになったのだ。
それに加え、大きく分けて次のような3種類の狙いがあるようだ。
同業界、同業種の買収の場合
建設業界における同業種の場合、つまりゼネコンがゼネコンを買収するような場合では、主な狙いは人材不足解消、働き方改革対策だ。
即戦力どころか、経験豊富な技術者や営業担当者を一気に確保できるため、人材不足問題の解決に大きく貢献できる。
一方、買収される側としても、購買力の向上や管理部門の効率化によるコスト削減が期待でき、大型案件への参画機会も拡大できるだろう。
更には大手企業の傘下に入ることで、雇用が安定し、福利厚生が改善されるメリットも見込める。
同業界、他業種の買収の場合
建設業界における他業種の場合、つまりゼネコンがサブコンを買収するような場合では、主な狙いは、総合力強化だ。
昨今は、ゼネコンよりサブコンの方が人材不足に悩まされており、それは裏を返せばサブコンが忙しいということを意味する。
ゼネコンが受注活動を進める際にはまず、サブコンを確保できるかどうかを確認してから判断する状態ですらある。
この問題を一気に解決できる。
ゼネコンがサブコンを子会社化すれば、まず受注戦略が大きく見通せ、更には機器や資材の実際の仕入れ値を知ることができる。
これはゼネコンにとって大きなアドバンテージだ。
他業界の場合
他業界の場合、つまり他業界の企業がゼネコンを買収する場合や、ゼネコンが他業界の企業を買収する場合の狙いは、企業経営の多角化や海外進出だ。
既存事業との連携強化や、事業拡大による多角化経営戦略による攻めの買収だ。
買収によるリスク、デメリット
買収はメリットばかりではない、当然デメリットもある。
買い手企業のデメリット、リスクとしては以下のようなものがある。
・社風や仕事の進め方が異なるため、安全・品質管理基準の統一に時間と労力がかかる。
・買収時点では表面化していない過去物件の不具合や債務などの潜在リスクを引き継ぐ可能性がある。
・買収後の環境変化などを理由に、実力のある人材が離職してしまうリスクがある。
一方売り手企業にもデメリット、リスクがある。
・交渉のタイミングや市場環境によって企業価値は変動するので、期待していた価格で売却できない可能性がある。
・買い手企業に合わせ、長年培ってきた仕事の進め方や企業文化が大幅に変更され、今までの社風が変わってしまう可能性がある。
・経営陣の交代や方針変更などを理由に、長年の取引があった顧客との関係が悪化する可能性がある。
いずれにしてもデメリットを踏まえ、メリットの方が大きいと判断して買収に踏み切っているのは間違いないだろう。
働き方改革一つをとっても今後も企業買収は活発になるに違いない。
さらに再編が進んで、合併ということもありえるのではないか。
いずれにしても、建設業界に変革の時がきていることは間違いない。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。





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