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仕様書をみても技術力は身につかない

  • 執筆者の写真: アルノ
    アルノ
  • 7 分前
  • 読了時間: 4分

2025.09.20

国土交通省営繕部の「公共建築工事標準仕様書」や建築家協会標準仕様書、SHASEの空気調和・衛生工事標準仕様書等、標準仕様書は多くある。

 

それらは工事を行うにあたって基準となるものだ。

 

私が若いころは、よく上司に仕様書をよく読み込んで勉強しろとよく言われたものだ。

 

しかしいま私が思うのは、仕様書を読んだだけでは中途半端な技術力になってしまうというのが実感だ。

 

ではどうすればいいのだろうか。

 

順を追って説明しよう。

 

 

上司に納まりを聞いた時

よく上司などに現場で納まりについて「ここは〇〇しておけよ」などと指示を受ける場合があるだろう。

 

つい「分かりました!!」と返事してしまうが、なぜそうするのかは分からない。

 

上司もそこまで教えてくれない場合が多い。

 

そしてサブコンへそのまま「ここは○○しておいて」と指示する時になぜかを問われると答えられない。

 

「上司がいってたんだよ、とにかく〇〇しておいて」などと言ってはいけない。

 

上司から指示があったときに、なぜそうするのかを確認し、理解し納得せねばならない。

 

そこまで行ってはじめて自分の技術となる。

 

 

各種仕様書をみてみると

上記の例を踏まえ、標準仕様書を見てみる。

 

仕様書の語尾は以下のようになっている。

 

「〇〇を設ける」

「〇〇とする」

「〇〇できるものとする」

「〇〇を用いて行う」

 

となっている。

 

お分かりの通り、〇〇とするのは分かるが、なぜそうするのかまでは記載されていない。

 

ある程度、技術力があると、「あぁ、これは錆びないようにこうするんだな」とか「あぁ、これはあとで点検できるようにするんだな」などと、なぜそうするか理由が分かるのだが、若手の内はそこまで技術力がないから、なかなかそうはいかない。

 

従って若いうちに、いくら仕様書を読み込んでもその理由が分からないので、本当の意味での技術力をつけることができないのだ。

 

 

中間検査、竣工検査では

建物は内装工事が始まった時と、竣工間際に検査を行う。

 

その際、検査員から「ここはこうしてください」と指摘を受ける。

 

この時は技術力をつける最大のチャンスである。

 

検査員に様々な指摘を受けるのだが必ず「ここはこうなる恐れがあるのでそうしてください」と、なぜ是正するかを言ってくれることが多く、また受検者側もそれを理解しないと是正方法を誤ってしまうことになりかねない。

 

指摘の一つ一つが、技術力をつけるチャンスであり、検査は技術の宝庫である。

 

検査に若手を連れてくる会社も多くあるのは、そういう理由がある。

 

 

資格試験を受ける

私が勧める1級施工管理技士などは、テキストに「こうするとこうなる」とその理由まで書いてあるので、技術力を一気に身に付けるチャンスである。

 

資格の取得を勧める理由もそういうことからである。

 

資格試験を軽視する人は「勉強より経験だ」という。

 

たしかにそれこそ生きた技術なのだが、それには恐ろしく時間がかかってしまう。

 

効率よく技術力を身に付けるのは、資格を取得してそこで学んだ内容を検査や経験で確認するという手順だ。

 

 

技術力をつける際には、「〇〇をする」だけでなく「なぜ〇〇をするのか」まで理解しなくてはならないということが分かったであろう。

 

そのために昔は、書籍を読む、メーカーカタログを見る、上司に聞く、職人に聞く、経験する、資格試験の勉強をする等と、その機会は限られていた。

 

いまはそれらに加えネットや生成AIという頼もしい武器があるので、調べやすい環境は整ってきている。

より短時間で技術力をつける土壌はできている。

 

あとはあなたのやる気次第だ。

 

 

 

 

 

この記事はこの人が書いています。

  

施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。

 

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プロフィール
  • さえずり

複数の施工管理技士受験を通し、

その勉強法を配信するとともに

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また、建設業界における転職経験から

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