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上司アルノの苦悩

  • 執筆者の写真: アルノ
    アルノ
  • 8月30日
  • 読了時間: 4分

2025.08.30

上司の誰もが、昔は部下だった。

 

だから全ての上司には部下としての経験がある。

 

しかも豊富にして優秀な部下としての経験だ。

 

その経験を踏まえ「ワシが若いころには・・・」だの「最近の若いモノは・・・」だのといってしまう気持ちも分かる。

 

かくいう私も、いわないまでも思ってしまうことは否めない。

 

いった瞬間、老害認定されるので我慢しているに過ぎない。

 

では上司としてどのように部下に接すればいいのだろうか。

 

具体的事例を踏まえて検証してみよう。

 

 

アルノの失敗事例

数年前、部下に1週間の期限を切って仕事を依頼した際、数日たってもその仕事をしている様子がなかったので、思わず声をかけた。

 

「お願いしている仕事の進捗どうだ?」

「まだできてません」

「期限通りできそうか?」

「大丈夫です!」

 

私はもう少し様子をみた。

 

更に数日たって心配になったのでまた声をかけてみた。

 

「終わりそう?」

「大丈夫です!」

 

そして、その仕事は期限内に終わらなかった。

 

ここで怒るのは簡単だ。

 

しかしそれでは、今後につながらない。

 

彼の今後の為にもと思い、怒りをぐっと堪えて懇談してみた。

 

彼のこの1週間の気持ちを箇条書きにするとこうだ。

 

・他に抱えている仕事が忙しかった

・そもそも、どう進めていいか分からなかった

・最後は終わらないプレッシャーに押しつぶされそうだった

 

彼のこの意見を聞いて私はこう思った。

 

「仕事が忙しかった」とは、そばで彼の仕事と仕事内容を把握していた私にはそれが言い訳だと思った。

 

「プレッシャー」云々については、できないことの結果に起因するものだろう。

 

根本は「どう進めればいいか分からなかった」に尽きると思った。

 

彼への仕事の指示はより具体的にかつ細分化して示すことが大切だと分かった、と同時に部下が失敗した時にはその原因を追究し、同じ失敗が起きないようにすることの大切さを学んだ。

 

 

指示する際に気をつけること

前述は、私の体験した例だが、部下が期待通りの結果をもたらさない時には、それを部下の責任とするのではなく、自分の責任考えた方が価値的だ。

 

それは怒ったところで改善する確率は非常に低く、再現性もすくないからだ。

 

自分に原因があるとする場合に、次のような原因が考えられる。

 

・相手の実力を把握できてない

・自分の伝え方があいまい

・しっかり伝わったかの確認不足

・途中経過の未確認

 

おおよそ、これらのどれかに当てはまる。

 

そうであれば、その原因を自分の反省点とし、自分が次に同じ間違いをしなければよいのだ。

 

 

部下を成長させるには

一方、全て自分の原因として処理してしまうと、部下の成長につながらない場合が多くなってしまう。

 

失敗を踏まえ、部下との懇談が不可欠だ。

 

その際、部下には次のようなことを確認してみるといい。

 

・自分の失敗箇所を自覚させる

・間違いを踏まえ、正しいやり方を考えさせる

・正しいやり方の実戦方法を考えさせる

・その実践に対する報告方法を考えさせる

 

ポイントは自分で考えさせることだ。

 

前述の部下で考えるならば、仕事の依頼を受けた時に、その方法について聞けなかったことが原因だ。

 

それについて次にはどのように改善するかを考えさせ、実行させるとなろう。

 

部下が考えても分からない場合には、今こそ自分の豊富な知識と経験を活かし、ヒント、アドバイスをしよう。

 

これらをせず、怒りに任せて怒鳴り散らすことの愚かさがよく分かるだろう。

 

それをするのはただの無能上司であり、パワハラ上司である。

 

 

その後の部下

前述の部下に先日仕事を依頼し、期日直前に進捗を確認した際、次のようなやり取りがあった。

 

 

「今日までの書類どうなってる?」

「今日の午前中で終わります。最後の修正を加えているところです。」

 

結論を先にいうことも含めて、聞いていて気持ちがいい。

 

かなり成長した感がある。

 

今ではすっかり頼もしい部下だ。

 

 

人間思い通りにいかないと、人のせいにしたくなる。

 

ものごとには自分何とかできることと、自分では何ともできないことがある。

 

後者で悩むのは愚かであり、前者で悩まないこともまた愚かである。

 

自分でできることを徹底的に悩み、実行することが、いい上司の基本である。

 

 

 

 

 

この記事はこの人が書いています。

 

施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。

 

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プロフィール
  • さえずり

複数の施工管理技士受験を通し、

その勉強法を配信するとともに

お勧めテキストを紹介します。

また、建設業界における転職経験から

建設業におけるお勧め転職情報も紹介していきます。

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