工事現場ほど安全な職場はない?
- アルノ
- 6月28日
- 読了時間: 4分
2025.06.28
工事現場ほど、危険な職場はない、誰もがそう思っているのではないだろうか。
確かに、特殊な職場を除き、工事現場は工場作業と共に危険職場のツートップといえる。
しかしその実態をみると、工事現場の作業員は何重にも様々な角度から守られている。
その内容をご紹介しよう。
工事現場は安全第一
工事現場で「安全第一」と叫ばれているのは万人が知るところだ。
お金よりも品質よりも、他の何よりも安全が優先される。
毎朝の安全朝礼、定期的な安全パトロール、安全声掛け運動、整理整頓清掃活動も安全のためだ。
これだけ安全を意識し、叫ばれる職場はない。
現に事務所で仕事をしている中では「安全」というワードがでてくることはないだろう。
法律に守られている
労働安全衛生法や労働安全衛生規則には作業員の安全に関するさまざまな具体的な基準が設けられている。
例えば労働安全衛生規則には次のような文言がある。
(足場の組立て等の作業)
第五百六十四条 事業者は、つり足場、張出し足場又は高さが二メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業を行うときは、次の措置を講じなければならない。
一 組立て、解体又は変更の時期、範囲及び順序を当該作業に従事する労働者に周知させること。
二 組立て、解体又は変更の作業を行う区域内に当該作業に関係する者以外の者が立ち入ることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止すること。
三 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、作業を中止すること。
かなり具体的に定められていることが分かるだろう。
これらに違反した作業を行うということは法令違反ということになるのだ。
安全な作業手順が計画されている
各作業では施工要領書や作業手順書が作成され、計画の時点で危険が想定される作業は行わないようにする。
さらに毎朝の朝礼後にはツールボックスミーティングを行い、その日の作業での危険作業を予想し、危険に対する安全意識を喚起する。
さらに昼礼等では予定外の作業がないか、危険な箇所はないか等を確認する。
安全を最優先にした作業が日々行われるわけだ。
作業場所に至るまでの移動もそうだ。
安全通路を通り作業場所以外は極力いかないようにすることがルールだ。
移動から作業内容、作業手順まで安全を念頭に置いて行動するようになっている。
保護具でがっちりガード
工事現場のスタイルといえばヘルメット、安全帯(フルハーネス)そして安全靴。
作業着も動きやすさに重点を置いている。
いうまでもなくそれらは全て安全の為だ。
現場の環境だけでなく、作業員の装備にいたるまで安全を最優先にされているということだ。
万が一の保険
他の業界でもそうだが、建設業界でも労働災害に対しては必ず労災保険が適用される。
ゼネコンが全ての作業員の為に加入しているからだ。
どんなに小さいケガでも健康保険等は使用せず、労災保険を使用することになっている。
一方、ゼネコンが一括で加入するという方法は労災がおこるとゼネコンに対し行政からペナルティがかかることから、労災が起こっても労災保険を使用しないという、いわゆる労災隠しが起こるという負の面もある。
また作業員側も労災がおこるとゼネコンに迷惑をかかると忖度してしまい、ケガしたことを隠し、後日健康保険で病院にいくというようなこともある。
これらは絶対あってはならない。
どんな小さなケガもゼネコンに報告し、労災保険を使用し治療を受けるようにしてもらいたい。
それが自身を守ることになるし、ゼネコンを守ることにもなるのである。
そして、結論!
冒頭にも述べた通り、作業員はこれだけ何重にも守られている。
いかに安全かが分かるだろう。
しかしいいかえるとこれだけ守られなければ作業員の安全は確保できないとも言える。
さらにいうとこれだけ守られていても全業界の内、建設業界が死亡者数が一番多い。
そう考えると、結論として、やはり建設業界は危険だ!
いかがであろうか、いかに建設業界が安全か、否、危険かがわかるだろう。
そんな建設業界で働き続ける作業員には頭が下がるし、ゼネコンとしては何としても作業員の安全、そして生活を守らなければならないと決意をするものである。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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