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建設業界で建築工事は今後脇役となる

  • 執筆者の写真: アルノ
    アルノ
  • 6月7日
  • 読了時間: 4分

2025.06.07

建物をたてる建築工事においては、設備工事、電気工事は脇役だ。

 

設備工事会社、電気工事会社は建築工事会社に差別され、虐げられてきた。

 

しかし、時代はハードパワーからソフトパワーへと移行していっている。

 

今後間違いなくソフトパワーの時代となるだろう。

 

建設業界もその流れに抗うことは決してできない。

 

ではいったい、今後の建設業界はどうなっていくのだろう。

 

 

工事価格の割合

建物を建てる場合、大きく4つの業種に分けられる。

 

設計図も意匠図、構造図、電気図、設備図と4種類ある、この4業種がそれだ。

 

更に、意匠と構造は建築工事、電気と設備を設備工事と2種類とすることもある。

 

建築と設備、この2者の工事価格の割合は建物用途にもよるが、おおよそ8:2~7:3といったところだ。

 

これが近年替わりつつある。

 

6:4あるいは5:5、建物用途によっては6:4と逆転するケースがでてきた。

 

例えば、データセンターなどは完全に建築より設備の方が工事金額は大きい。

 

これが冒頭に述べたソフトパワーの時代ということだ。

 

 

工事工程の割合

このような場合、設備工事としては、「建築はさっさと建てて早く設備に引き渡してください」ということになる。

 

完全に建築工事は脇役だ。

 

したがって工程はいかに建築工事の期間を縮めて設備工事の期間を多く確保できるかが主題となってくる。

 

建築工事としても今まで業界の主役だった矜持があるので、決められた工程を縮めることはできないと頑張ってみるのだが、施主は完全に設備工事の味方となっているので立場がない。

 

 

設備工事の内訳

では設備工事の内訳はどのようになるだろう。

 

前述のように設備工事は、設備工事と電気工事に分かれる。

 

設備工事は給排水衛生工事と、空調換気工事、電気工事は強電工事と弱電工事とさらに分けられる。

 

設備工事と電気工事の工事価格の割合は建物用途による。

 

例えば病院であれば設備工事の比率が大きいし、工場であれば電気工事の比率が大きい。

 

平均するとおおよそ同じ程度と考えていいだろう。

 

 

弱電工事の将来性

そのバランスが、さらに変わりつつある。

 

アメリカのGAFAに代表されるように、IT業界が世界を席巻しているのからだ。

 

それはすなわち電気工事、なかんずく弱電工事が重要になっていくということだ。

 

日本においてもそれに備え、国土交通省が数年前に従来の各種施工管理技士に加え、電気通信工事施工管理技士という資格を新たに設け、弱電設備を整備するための技術者を増やそうとしている。

 

そして実際に弱電工事の金額は年々増えてきている。

 

この流れは、今後ますます加速するだろう。

 

 

建設会社の意識

しかしながら、このことに気づいている建設会社は少ない。

 

電気工事会社ですら多くない。

 

逆にいえば、そこに大きなチャンスがある。

 

光通信設備を中心とした情報伝達通信網の設計及び敷設のノウハウを身に付ければ、10年後大きく業界をリードすること会社となりえるだろう。

 

それは今後、ビル、工場、病院、マンション、ホテル、あらゆる建物用途に必要とされるであろう技術である。

 

 

今後、電気通信設備は建物の主役となり、建築工事は脇役となる。

 

電気通信を確立するために、建物をどのように設計するか、という発想となるだろう。

 

今までのように建築工事の工程が遅れて、電気通信設備の試運転調整期間が短くなるなど、もってのほかになるに違いない。

 

 

 

 


この記事はこの人が書いています。

 

施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。

 

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プロフィール
  • さえずり

複数の施工管理技士受験を通し、

その勉強法を配信するとともに

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また、建設業界における転職経験から

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