2024.10.19
職人さんにとっては、現場監督が嫌な感じだったら仕事が気持ちよくできないだろう。
また段取りの悪い監督だったらイライラしてくるに違いない。
以下はある現場の3時休憩の際に、ふと聞こえた職人さん同士の会話
「ここの監督ハズレだなぁ、ぜんぜん段取りできてないわ」
「ほんと最悪、もう帰ろうかな」
会話からその現場の工事主任の事だと分かった。
現場には様々な職種の人がいる。
それぞれ、お互いのことをどのように思いながら仕事をしているのだろうか。
それぞれの立場から考えてみた
職人さんは現場の事をこう思っている
冒頭でも述べたように、職人さんにとって現場監督の良し悪しはいい仕事ができるか、また早く終わらせられるかどうかに直結する。
職人さんであれば誰でもいい仕事し、早く終わらせたいだろう。
従って、現場監督が嫌な人だったり、段取りが悪かったりすると「この現場の監督はハズレだな」となるわけである。
単発で1日2日程度、現場に入る職人さんならまだいいが、躯体や内装などで、長期間現場に渡りその現場で仕事をする職人さんにとっては、モチベーションも下がるし、現場に行くのも嫌になるかもしれない。
そしてそう考えていると、それは態度や言葉にでてしまうものだ。
現場監督も会話をしている中でそれを感じて増々関係性は悪くなる。
そうなってしまった現場でいい仕事をするのは至難だ。
現場監督は職人さんの事をこう思っている
一方で現場監督も職人さんに当たりハズレがあると思っている。
ハズレと思う職人さんは主に、コミュニケーションがとりずらい、指示にしたがってくれない、仕事が遅い、仕事が雑という具合であろうか。
現場監督は品質(Quality)、コスト(Cost)、工期(Delivery)、安全(Safety) いわゆるQCDSを管理するのが仕事だ。
特に仕事が遅いは工期に影響し、仕事が雑に関しては品質に影響するばかりか、後でやり直しになると工期にも直結する。
ちなみに安全に影響する不安全行動をする職人さんは論外だ。
これらの問題は密にコミュニケーションがとれていればある程度はカバーできるので、そういう意味ではコミュニケーションがとりにくい職人さんが一番厄介なのかもしれない。
コミュニケーションがとりにくい職人さんとは例えば、いつも不機嫌で質問や指示をしても聞いているかどうか分からない、いつも怒っていて会話が成り立たない等のことだ。
ハズレの条件の真逆となる職人さんが当たりとなるわけだが、そのような職人さんだと現場管理としては非常にありがたい。
サブコン現場監督はゼネコン現場監督をこう思っている
忘れてはいけないのが、設備工事、電気工事のサブコン現場監督だ。
彼らは工事の着工から竣工までいる。
つまりゼネコン現場監督と一番ながい付き合いになるわけだ。
ゼネコン現場監督とサブコン現場監督の関係が良好な現場、それはつまりいい現場と言って過言ではない。
QCDS管理がうまくいっていることが多い。
逆に関係が悪い場合、最悪の現場だ。
建築の工程が遅れ、そのしわ寄せは後工程のサブコンに行き、遅れの原因は自分にあるにも関わらず、サブコンに対し、早く終わらせろという。
サブコンにしてみれば「どの口がいう!」と言いたいだろう。
突貫工事になれば、応援の職人さんを呼ばねばならず、コストがかかる。
急いで仕事をするので品質も下がる。
悪い現場のありがちなパターンだ。
この場合、ゼネコンはサブコン現場監督をハズレと思い、サブコンも当然ゼネコン現場監督のことをハズレと思っている。
工事現場だけでなく、どんな会社でも社内や取引先との人間関係に悩むことはあるだろう。
工事現場では、それが毎日、頭と身体と技術を使いながらいい建物をつくろうと心を一つにしなくてはならないという特徴から、お互いの関係が非常に濃くならざるを得ないのだ。
いずれにしても、お互い尊重する心をもって接するところにいい関係の構築と、いい仕事ができるのだろう。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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