現場担当、途中で変わるなよ!
- アルノ
- 4 日前
- 読了時間: 4分
2025.04.26
会社の都合で現場担当が変わることはよくある話だ。
私が担当して、先日竣工した工期3年間の再開発プロジェクトなどは、私は担当4人目だった。
しかし担当が変わるといろいろと歪がでてくるので、変わらないにこしたことはない。
どのような歪がでてくるか。
私の経験も交えて紹介しよう。
4人目の担当
冒頭で述べた私が4人目の担当だった現場はカオスだった。
「あの時、どういう打ち合わせだったっけ?」といわれても「すみません、分かりません」
「ここは前任者にこう言っておいたのだけど」といわれても「申し訳ありません」
「これは仕様でこういう風に納めてといっといたでしょ」といわれても「失礼しました」
こんな調子で参ってしまった。
相手は更に迷惑だっただろう。
見積を作成していても、役所と打ち合わせしていても、定例会議でも当初の打ち合わせでどうなっていたかを把握確認する作業がメインになってしまった。
そして前任の3人は管理方法や書類整理の方法がそれぞれの為、それを集約するのにも一苦労だ。
はじめから一人で管理する場合に比べ手間が2倍かかった気がする。
引き継ぐ気がない前任者
私が転職してきて、前任者が兼務していた3現場を私が全て引き継いだ時、前任者は引継ぎを行う気がなかった。
まるで自分は担当から外れるから、あとは好きにやってくれと言わんばかりだった。
「それでは引継ぎをしましょう」となった際、彼が最初に発した言葉は「何か聞きたい事ある?」だった。
「おいおいおいマジかよ!」と思った私は、焦ってそこから根ほり葉ほり聞きまくった。
しかし前任者は、資料にまとめているわけでもないので、聞かれてから調べ始める始末。
引継ぎといえない引継ぎを終え、現場管理が始まると、当然のように現状把握だけで手一杯になってしまった。
しかもそれが3現場同時となると、私のキャパシティをはるかにオーバーしていた。
転職早々この仕打ちかとも思いながらも、そこはがむしゃらになって乗り切ったが、決してスムーズに進めたわけではなく、引継いだ当初は関係の皆様に多大な迷惑をかけることになってしまった。
自分が現場から離れる場合
私は現場を引き継いだ際にこのような苦い経験をしているので、私が誰かに引き継ぐ場合は、どのようなところがあとあと問題になったり、苦労したりするのかを良く分かっている。
また引継ぎが不十分だとあとで自分に問い合わせがくるので、引継ぎは充分に行っておいたほうがいいのは明らかだろう。
そういう理由でから引継ぎ資料は重要な点を中心に徹底的につくる。
特に問題になりそうな点や、未解決な点、今後の課題、追加工事の情報や、キーマンについての情報など、PC上のファイルの整理や書類の整理も含め、後任者が極力苦労しないようにするようにしている。
協力会社の担当が変わる場合
協力会社であるサブコンの担当者が変わる場合はさらに大変だ。
よくよく引き継いでおいてもらわないと今度は逆に「前任者がやっていたので分かりません」といわれてしまうことになる。
問題になりやすい点としては、解決済みの内容がなぜそのようになったか分からず、前任者等に問い合わせても追跡しきれないような場合だ。
最終的に、もう一度検討し直して結論を出すことになってしまう。
まさに二度手間だ。
特に前任者が退職してしまうときなどは念入りに引継ぎをしてもらわねば業務料は倍増してしまう。
協力会社も私も苦労することになってしまうので、その際には一覧表を作成し「こういうところをよくよく引き継いでおいてね」とお願いするようにしている。
私の経験上、引き継いで一つも問題がなかったことは一回もない。
それくらい引継ぎは難しい。
よく担当が変わると聞くと「分かった、良く引き継いでおいてね」と軽くいう人がいるが、私は担当が変わると聞くと「ええー!」と思ってしまう。
現場担当は極力変わらないようにしたいものだ。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。