設備電気サブコン現場監督とのちょっとおもしろい話
- アルノ
- 1月25日
- 読了時間: 5分
2025.01.25
ゼネコンとサブコンは持ちつ持たれつの関係だ
たまにゼネコンはサブコンより偉いと勘違いしているゼネコン監督がいるが、とんでもないことだ。
ゼネコンの設備担当である私は、サブコン現場監督と一緒に仕事をすることが常なのだが、彼らのがんばりにはいつも頭が下がる。
そんな工事現場において大切なポジションを占めるサブコン現場監督のおもしろエピソードを紹介しよう。
「あるある」と思ったり「クス」と笑ったりしていただけたら幸いだ。
電力系サブコンあるある
電力系サブコンが工事をする場合、設備工事、電気工事共、同じ会社で請け負うことがある。
ゼネコンとしてみれば、社内ツーツーだろうから楽だなと思いがちなのだが、実はそうでもない。
ある要件を電話で電気に伝えた時、現場事務所で隣にいるであろう設備の代理人にも伝えてとお願いして伝わってない時があった。
またある時には、同じ書類を設備電気に求めたらそれぞれ自前の違う書式で提出してきた。
同じ会社でも社内の部署ごとでライバル関係にあり、逆に同じ会社ほど仲が悪い場合があるようだ。
それはあたかも、ゼネコンで建築の部署と土木の部署であまり仲がよくないのと似ている。
現場はNo,2が大切
ある現場で上述のように電力系サブコンが設備工事電気工事の両方を請け負っていた。
その現場は、何があっても設備電気の現場代理人が一人ずつそろって参加するのが常だった。
定例会議も両現場代理人。
災害防止協議会も両現場代理人。
職長会も両現場代理人。
消防打ち合わせも両現場代理人。
といった具合だ。
竣工検査の時、設備電気それぞれ2班体制、計4班と決まりどうするか聞いてみると二人とも困った顔をしてしまった。
その現場は、はじめからその二人が占める仕事量はとても多く、常に業務過多だった。
今、業界全体が30歳から45歳、いわゆるNo,2の世代が極端に少ない。
No,2を育てることが急務だとつくづく感じたエピソードだ。
サブコンとゼネコンの人間性の違い
全般的にサブコン現場監督は紳士的な人が多い。
一方、ゼネコン現場監督はヤカラが多い。
ゼネコンが「組」と呼ばれるゆえんなのか、躯体業者に怖い人が多いからなのか。
だからか、サブコンはゼネコンにやられる事が多いのかもしれない。
ゼネコン現場監督のヤカラエピソードを一つ紹介しよう。
ゼネコンとサブコンで打ち合わせをしていた時、ゼネコン現場監督はサブコン現場監督に対し、建築の納まりに対する理解が足りなかったからか「もっとよく勉強しろ!」と言い放った。
同じ打ち合わせ内で、逆にサブコン現場監督が専門的な事を言うとゼネコン現場監督は理解できなかったのか「もっと分かりやすく言え!」と言いはなった。
思わず「どの口がいう!」ツッコんでしまった。
結局、怒鳴りちらすようだ。
こういう人間は、サブコンを見下しているのか、自分が偉いと思っているのか、人間としてどうかしているかのどれかだろう。
まさにヤカラである。
油断するとバッタリ
一次で工事を請け負うサブコンはそこまで多くないので、同じ現場代理人と別の現場で再び会うこともしばしばある。
ある時サブコンの工事課長と名刺交換した際、「私のこと覚えています?」と言われた。
必死になって思い出し「あぁ10年前に一緒に工事を担当してあなたにいじめられましたね」と言うと「いやいやいや、いじめられたのは私ですよ」と返されお互い大笑いした。
久しぶりに再会すると嬉しくなるものだ。
ある現場で、サブコン現場監督が提出した施工図を私がチェックバックした。
それを修正して監理者に提出したのだが、後日、次の階の施工図がサブコンからでてきてチェックしていると「おや?」と思った。
前回と同じ内容の修正が多くあったのだ。
どうやら、サブコン現場監督があまりの忙しさに、部下に描かせた施工図をチェックせずに私に提出してきていたようだ。
つまり実質、タタキ台の施工図チェックを私にさせていたことになる。
その現場監督とは今も飲み仲間なのだが、間もなく10年たとうかというそのエピソードを、未だに毎回ぶり返している。
このようなエピソードが多々あるゼネコン、サブコンの世界はかなり狭い。
サブコンとゼネコンは非常に近い存在であり、ゼネコンが発注する工事でその金額が一番大きいのはサブコンという現場も多くある。
サブコンとゼネコンがいかに気持ちよく、スムーズに仕事ができるかは、その現場がうまくいくかどうかの大きなバロメーターといえるかもしれない。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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