2021.04.24
ブログで何度かサブコンについて述べてきたが、サブコンとは別にゼネコンにも設備電気担当という職種があるので、サブコン現場監督と仕事の中身の違いについては分からない人も多いのではないだろうか。
職種の知名度としては、サブコン現場監督の方が圧倒的にあるので、マイナー職業のゼネコン設備電気担当は、一般の人や建設業に就職しようとする学生からしたら、謎でしかないだろう。
そこで今回は、両者の仕事内容や立場の違いについて言及してみる。
ゼネコン設備電気担当の仕事
ゼネコンは当然、施主から仕事を請負う立場であり、サブコンに仕事を発注する立場である。
つまり、現場におけるヒエラルキー構造はゼネコンが上でサブコンが下という事になる。
その上で、ヒエラルキー的立場が上のゼネコンには、ゼネコンの現場監督に設備電気担当という職種がある。
彼らの仕事はサブコンを管理する事だ。
1つの現場にサブコンは数社あり「電気設備工事」「機械設備工事」の2社もしくは「機械設備工事」を更に「空調設備工事」「給排水衛生設備工事」と分けて3社と契約する場合が多い。
ゼネコン設備電気担当者はそれらをまとめて1人もしくは2人で管理する。
サブコンにはそれぞれ現場監督がいるのでいわば、サブコン現場監督を監督する事が仕事だ。
具体的には、「施工計画書の作成」「各種検討会開催」「サブコン質疑書の回答」「施工図のチェック、承認」「納入仕様書のチェック、承認」「現場確認」「追加工事の管理」「増減見積書の作成」「定例会議議題書類等の作成」「官公庁打ち合わせ」「官公庁検査対応」「設計検査施主検査対応」「竣工図書の取りまとめ、チェック、承認」「追加工事の金額交渉」等がある。
電気設備と機械設備の両方を管理しなくてはいけないので建築も含めて幅広い知識を要求される。
当然、公的資格も様々取得せねばならず、施工管理技士だけでも1級建築施工管理技士、1級電気工事施工管理技士、1級管工事施工管理技士、1級電気通信工事施工管理技士の4種を取得せねばならない。
他にも、消防設備士、建築設備士、設備一級建築士、電気主任技術者、空衛学会設備士等の取得を推奨される。
一言でいうとゼネラリストという印象だ。
サブコン現場監督の仕事
一方、サブコンの現場監督の仕事は更に大変だ。
ゼネコンが作成する資料関係の手伝いをせねばならないのに加え、「各工事の業者取決め」
「メーカー取決め」「材料手配」「職人手配」「工程表作成」「施工要領書作成」「質疑書作成」「納入仕様書手配」「官公庁申込届出作成提出」「施工図作成」「現場管理」「工事写真撮影まとめ」「各種検査測定」「各種検査対応」「増減見積書作成」「竣工図書作成」とあげればきりがない。
特に各種手配と施工図作成はとても時間が掛かるし技術力が必要となる。
ただし、必要とする資格は、施工管理技士については専門分野のみでいいだろう。
たとえば電気設備工事のサブコンであれば1級電気工事施工管理技士という具合だ。
そういういみでは、ゼネコン設備電気担当がゼネラリストであるのに比べ、サブコン現場監督はスペシャリストと言える。
どっちが大変?
では、どちらの仕事の方が大変であろうか。
これは個々の会社やそれぞれの感覚によるかもしれないが、私が思うには圧倒的にサブコン現場監督の方が大変だ。
そう感じる理由は以下
・やる事が多すぎる。
・技術力が必要
・ゼネコンがうるさい
建設業界における働き方改革はだいぶ進んできているが、はっきり言ってゼネコンや職人さんの働き方の改善に対し、サブコン現場監督については未だにブラックだ。
でもそのサブコンによって建物は完成し、建設業界は成り立っている。
一刻も早くサブコン現場監督の待遇が良くなる日がくる事を願うばかりだ。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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