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執筆者の写真アルノ

すべての建物は手作りでつくっている

2024.09.28

建設業界の人は良く分かっているだろうが、そうでない人は建物をどのように建てているかを、おそらく分からないだろう。

 

もしかしたら、プラモデルのように組み立てていくと思っているかもしれない。

 

鉄骨工事の内、一部はそれに近い場合があるが、たいていの場合そうではない。

 

ではどのように作るのであろうか、詳しくみてみよう。

 

 

躯体工事の場合

躯体工事とはいわば建物の骨組みとなる部分の工事。

 

柱や梁、壁や床をつくる工事だ。

 

一般的な鉄筋コンクリート造の建物の場合、躯体工事は、鉄筋屋さんが決められたように鉄筋を組み、型枠大工さんがコンクリートを流す型を組み、コンクリート屋さんがそこにコンクリートを流し込む。

 

といった具合に全て手作りで建てていくのだ。

 

 

仕上げ工事の場合

躯体工事が終わると仕上げ工事が始まる。

 

建物のなかの間仕切りをつくり、使いやすいように通路や部屋をつくる工事だ。

 

それはどのようにつくるかというと、軽鉄屋さんが壁の骨組みをつくり、ボード屋さんが骨組みの両側にボードを貼る、その後にクロス屋さんが仕上げとなるクロス(壁紙)をボードの上から貼っていくこととなる。

 

これらも全て手作りだ。

 

 外壁工事

外壁だってコンクリートのままでは、恰好悪いし、雨が入ってくる。

 

窓はサッシ屋さん取り付け、外壁がタイルの場合はタイル屋さんが貼り、塗装の場合はペンキ屋さんが塗る。

 

屋上では雨が漏らないように、防水屋さんがアスファルトの液や防水用のシートなどを使い屋根を覆う。

 

これらも全て職人さんが丁寧に順番に行うのだ。

 

 

設備電気工事

まだこれだけでは、建物の箱ができただけだ。

 

このままでは、夜は暗く、夏は暑く、冬は寒い。

 

水道もなければ、トイレもない。

 

建物として成り立っていない。

 

そう、電気や水道が必要なのだ。

 

 

それらはどのようにしているのか。

躯体工事の頃から、電線が通るルート、水道管が通るルート、排水管が通るルートを確保し、仕上げ工事の前に電線を通し、水道管を通し、排水管を通し、仕上げ工事の後に、照明を取り付け、コンセントを取り付け、洗面器を取り付け、トイレを取り付け、エアコンを取り付ける。

 

更に取り付け作業が終わると、正常に動作するかを試験する。

 

そうして初めて、建物は建物として使用できるようになる。

 

お分かりのように、これらの作業は全て、電気屋さん、設備屋さんの手作業である。

 

電気屋さん、設備屋さんは建物を建てる始めから終りまで関わる長丁場の仕事だ。

 

 

現場監督の仕事

そしてそれらの作業を計画し、取りまとめ、段取りし、管理し、統括するのが現場監督だ。

 

現場監督は、作業こそ行わないが、頭と身体を使い、心をすり減らす大変な仕事だ。

 

その大変さは、多くの職人さんが、現場監督にだけは絶対にならないと言うほどだ。

 

現場監督とさまざまな職人さんの力が結集してはじめて、建物が建つというわけだ。

 

 

人類の力

このブログで言いたいことは、全ての建物は、そして全ての工程は手作りでできているということだ。

 

あらゆる職種の職人さんが、材料を用意して、直接足を運んで、自分の身体と技を使って、手作りで一つ一つ建てているのだ。

 

それは、超高層ビルであっても、タワーマンションであっても、あるいはスカイツリーであっても同じだ。

 

我々がすんでいる、一軒家だって手作りだ。

 

飛行機から関東平野を見たことがある人は分かるだろうが、広い関東平野はグレーに染まっている。

そのグレーはほぼ全て建物だ。

 

これらの建物をわずか数十年で、手作りで建ててきたのが建設業界の人々だ。

 

そう考えるとすごいと思う。

 

 

建物は手作りで建っている。

 

それを知って、大きな建物に足を踏み入れると、よくこんなものを手作りで建てたものだという思いがし、いつも使っている建物も少し違って見えることだろう。

 

ぜひ職人さんと現場監督の結晶をそのような目線でみてもらいたい。

 

 

 

 


 

この記事はこの人が書いています。

 

 

 

 

 

施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。

 

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