2021.11.20
前回は建設業界の職場環境の悪い点について述べてきたが、今回はいい点を述べ、建設業界に入りたいと思う若者が不安にならない様にアピールしたい。
建設業界のいい点
建設業界のいい点というと、「大変だがやりがいがある」「地図にのる仕事」「建物ができたときの達成感」と言われることが一般的だ。
たしかにそれらは大きな要素であり、代表的ないい点といえるだろう。
今回はもう少し、身近な視点でいい点を探してみたい。
冒頭でも述べたが、いい点はあまりなく言ってみればわるい点の裏返しのような感もあるが一応良い点として挙げておこう。
①朝につよくなる
工事現場の朝は早い。
多くの工事現場で朝8時から朝礼が行われる。
その為、7時半過ぎには現場についている職人さんがほとんどだ。
夜、どんなに遅くまで起きてようが、徹夜で飲みあるいていようが、朝礼に間に合うように現場に行かなくてはならない。
朝、早く起きる習慣が強制的に身に着く。
逆にいうと朝早起きできない人は工事現場で働く事ができないという事も言える。
厳しいゼネコンだと朝礼に遅刻すると追い返され現場に入れてもらえない。
時間厳守であるゆえに、交通渋滞等不測の事態に対応する為に、早め早めに現場に来ざるを得ないようになる。
②筋肉がつく(現場監督は除く)
工事現場での仕事は基本的に肉体労働だ。
職人さんは体を使い工事を行うので必然的に一般的なサラリーマンに比べて筋肉がつく。
ただし、職種によりそれぞれ特定の筋肉を使うので筋肉がバランスよくカッコよくつくかと言われるとなんとも言えない。
おもしろいのは意外な職種が意外とマッチョだったりすることだ。
例えば、電気屋さんはあまり体を使わないイメージがあるが実は電気のケーブルはものすごく重い。
そのケーブルを建物中に縦横無尽に這わせなくてはいけないのだから力仕事が多く、筋肉がつくのだ。
また現場監督は基本的に力仕事ではないし、事務仕事も多いので、職人さんと比べるとぜんぜん筋肉はつかない。
③運動不足解消(ただし健康とは限らない)
体を動かす仕事なので筋肉がつくと同様に一定の運動をすることにもなる。
基本的にどんな作業でも1日中現場を歩いているのだから運動量は多いに決まっているし運動不足になるわけがないはず。
しかしながら職人さんが細マッチョで健康的な体なのかというと決してそうではない。
なぜなら職人さんの多くは暴飲暴食の達人たちだからだ。
動いた以上に食べて飲む。
したがって、筋肉質のおデブさんが多いので、健康かどうかと言われるとなんとも言えない。
いや、一般的なサラリーマンより不健康な人も多いのかもしれない。
健康を考えるなら、どんな仕事でも適切な食事量と適度な運動が必要ということだ。
④コミュ力アップ
工事現場はさまざまな業種の職人さんがおり、お互いに話しあい、調整しあい、時には意見をぶつけ合いながら工事を進める。
したがってコミュニケーション能力が必要になってくる。
話す事が苦手な人も、長くこの仕事をしていると自然とコミュ力がアップする人が多い。
また、一言でコミュ力といっても実際は様々だ。
大声で他の人をねじ伏せようとする人、下手に出ながらうまく意見を通す人、抜群の調整力で現場をスムーズに進める人、どれが良い、悪いというわけではなく自分なりの方法を見つけることが大切である。
⑤意外にまとまった休みはある
前回わるい点で不規則な労働時間や世間との休日のズレについて述べたが、実は意外にまとまった休日が取れる事がある。
最近の職人さんはお盆休みや正月休みに長期休暇をとるし、現場監督も普段、土日祝日等の休日に働いている分、一つの現場が終わって次の現場に異動する際に代休を使い長期休暇をとる事ができる。
そういう意味では次の長期休暇という餌につられて今の大変な仕事を頑張っている人も多いのかもしれない。
以上、何とかいい点を5つ絞り出してみた。
といいながら実はあと2~3ついい点をみつけたのだが、あまりにも細かい内容なので今回は省くことにする。
一般的に建設業界はきついと言われるが、逆にきつくない仕事などあまりないのではないだろうか。
そういう意味では、仕事を選択する際に自分が仕事のどこに価値を置くかで、どの業界でどの職種で働くかを選択する事が、後悔する可能性が低くなる方法ではないだろうか。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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