2024.08.31
ゼネコン現場監督は、工事を行う前には必ず施工計画を行う。
施工計画を行わなければ、工事がうまくいかないばかりか、その工事においてどういう問題点があるかどうかも分からないからだ。
そして、その施工計画を行うには手順やコツがある。
それらを知っておくと、いい施工計画ができる。
特に設備工事、電気工事は現場毎に特有のシステムや納まりがあり、それらを把握し、管理することが非常に大切である。
そこで今回はゼネコンの立場における設備工事、電気工事を中心とした施工計画における手順とコツを何点か述べる。
工事概要の把握
工事全体の施工計画を行う時にまず必要な事は、工事概要の把握だ。
物事を進める鉄則は、全体を把握して細部を検討する。
全体を把握しないと細部にズレが生ずるからだ。
例えばタイヤだけを見て「これはタイヤだ」と思うのと車全体を見た後に「これはタイヤだ」と思うのとその認識に違いがあるようなものだ。
家計全体を把握して後にお小遣いの金額を決めるようなものだ。
施工図を描くにはまず通り芯を描くようなものだ。
設計思想を把握し、工事概要全体を把握した後に、工事全体の施工計画及び工種別の施工計画をすすめるのだ。
各種インフラの確認
工事全体の施工計画を行う時にはインフラの計画が適切になされているかを確認したい。
電気、電話、情報、給水、下水、ガス等、設計図には結構、抜けていたり検討されていなかったりする事がある。
まず、設計事務所から諸官庁の事前協議の議事録等資料をもらい、内容を確認しよう。
各インフラ設備について、それらの資料がないという事は協議していないということになる。
万が一なければ、すぐに役所に協議にいかなくてはならない。
もしかしたら間に合わないかもしれない。
設備電気担当がいない現場の現場監督は、特にこの確認が抜けがちになるので注意したい。
施工計画書の作成
工事概要を確認しインフラの確認が終わり、全体工程表を作成したらいよいよ施工計画書の作成だ。
まずは工事全体の総合的な施工計画書作成しその後、随時各工種の施工計画書を作成していくようになる。
特に設備工事、電気工事の施工計画書には施工図の作成計画一覧表、総合図の作成計画一覧表、納入仕様書の作成計画一覧表を作成し、それを基に施工図を計画的に作成していく必要がある。
これをしないとサブコンの手の空き具合に応じて施工図を作成したり、作成する順番も管理されなかったり、最悪の場合、間に合わなくて作成しない施工図がでてきたりするので、事前にサブコンと協議した上で、一覧表を作成し、計画的に進めてまいりたい。
その上で、施工図をチェックし現場を管理しないと、ただ何となく建物ができてしまい、できてからシステムや納まりに後悔するということになりかねない。
施工要領書の作成
設備工事、電気工事の施工計画書を作成していくと、その現場特有の品質、コスト、工期、安全等において注意すべき点が見えてくる。
その点を施工計画書内で注意すべき項目として記載し、その項目についてはサブコンに施工要領書を作成してもらおう。
施工要領書を作成すると、サブコン現場代理人もそこを施工する際には注意が向きやすいし、施工する際に職人さんにも要領書を確認してもらえば、納まりで困ることはない。
もし施工要領書どおりに納まらない場合には、再検討すればよい。
言い換えればそれだけ注視し、知恵をだし、相談し検討した上で施工できるということになるのだ。
ここまで行えば施工計画としては、上々だろう。
あとは施工図をチェックし、工程を管理しつつ施工するのみだ。
これらの一連の計画が一つでも行わなかったり、滞ったりすると現場が乱れる要因となる。
工事は段取りが8割。
綿密な施工計画の上、それに則って施工することが必須である。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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