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執筆者の写真アルノ

土間配管という恐怖の施工方法

2024.04.13

土間配管という施工方法を知っているだろうか。


土の中に配管をすることなのだが、一般的に土間配管というと1階床のコンクリート下の土の中に配管をすることで、あとで配管を点検できないような場合をいうことが多い。


なぜそのような配管をするのか、その場合どのような弊害があるのか、その恐ろしさをご紹介しよう。



土間配管はしてはいけない

なぜ土間配管をしてはいけないのか。


冒頭でも述べた通り、土の中に埋めてしまい、コンクリートスラブで蓋をしてしまうため、後で点検ができないからだ。


点検ができないということは、メンテナンスができないし、配管が古くなっても取り替えることもできない。


もし水が漏ったとしても容易に修理をすることすらできないのだ。



配管は漏れるもの

配管にはいろいろな種類がある。


給水配管、給湯配管、排水配管、ガス配管、蒸気配管、電気配管等々。


これ以外にも多くの種類の配管が存在するが、そのなかでもよく土間配管の犠牲になるのは、給水配管、給湯配管、排水配管である。


配管から水が漏ってはいけないのだが、そもそも配管は水が漏るものなのである。


特に継手部分は水が漏れる箇所と認識される。


その漏れる配管が点検できないことがあってはならないということは、容易に想像がつくだろう。



土間配管でなくピット配管

ではどうすればいいのだろうか。


一般的に1階床の下にはピットといわれる空間を作りそこに各種配管を行う。


そして人が行けるよう点検ルートを確保するのだ。


そうすることにより点検、メンテナンス、取替、漏れた時の補修等をできるようにする。


こうすれば何の問題もない。




なぜ土間配管をするのか

ではなぜピットにせず、土で埋めてしまうのだろうか。


一般的に建物は地面を掘り、杭や基礎部分の施工を行う。


従って掘った分だけ、土があまり、それは残土として処分することになる。


残土を処分するにはお金が掛かるので、残土処分費を節約するためにピットにはせず、土で埋めてしまうというわけだ。


将来的なリスクと目先の残土処分を天秤にかけ、目先の利益を優先し、設備配管の大切さ、土間配管の危険性を軽視するゼネコン所長が考えそうなことである。



漏れるとどうなるのか

そのように危険な土間配管において、万が一漏れたらどのようなことになるか。


配管を修理しようにもまず、漏っている場所を特定するのが難しい。

どうすればいいか。


怪しいと思うところのコンクリート床を斫らなくてはならない。


その間、施主もその場所が使用できなくなり、斫り音や振動もものすごくなる。


もちろん、お金もかかる。


そして、何とか漏れている箇所を見つけて、修理したとしてもまたそこを埋めなくてはならないのだ。


そう考えるとものすごいお金と労力がかかってしまう。



土間配管の施工方法

そう考えると、何が何でもピットにするべきで、土間配管は断固として避けねばならないが、のっぴきならない理由によりピットにできない、土間配管にせざるを得ないという場合はどうすればいいか。


その場合、配管の施工方法について厳格な管理が必要だ。


ゼネコン、サブコン各社で土間配管の施工方法についてはそれぞれの厳格な管理方法があるようだが、どの会社も最善の注意を払って行うということは共通していえることである。



土間配管の恐ろしさを分かっていただけたであろうか。


私が設計図のチェックをする時にまず確認することの一つが、土間配管になっている箇所がないかどうかだ。


それくらい「土間配管」というワードには敏感になっている。


お金が掛かろうとも、あとあとの事を考えた時には絶対ピットにするべきというのが私の持論である。






 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。


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