2024.01.20
工事現場の人は、早朝から体をつかって仕事をする。
猛暑の夏でも、厳寒の冬でも屋外で仕事をするので、冷暖房が効いている建物内で仕事をしているサラリーマンの人たちとは比べ物にならないくらい体力を消耗する。
従って昼休みの1時間は、食事による栄養補給と共に昼寝が体力回復において非常に重要となる。
したがって職人さんを中心に工事現場の人は、昼寝に命をかける人がとても多い。
今回は、職人さんが昼寝に対してどれくらい命がけで臨むかを実例を挙げてご紹介する。
お弁当が消える手品
職人さんが昼ごはんを外食することは、ほとんどない。
店を探し、注文し、食べて、戻ってきたら昼休みが終わってしまうからだ。
貴重な昼寝の時間を無駄にするようなことは決してしないのだ。
1分でも多く昼寝をしたい職人さんにとって昼ごはんは、お弁当1択だ。
そしてわずか数分で、あたかも手品のように瞬間的にお弁当を平らげ、すぐさま昼寝にうつる。
尚、職人ではない現場監督の私も昼寝に命をかけている。
私くらいの昼寝上級者になると、昼飯を抜いて12時になるとすぐに昼寝をする。
職人さんほど体を使わないとはいえ、現場監督も昼寝はしたいのである。
そんな私はかなりの昼寝上級者だと思っていたが、SNS上では更に上の名人級がいた。
曰く、11時50分から早弁し12時前には昼寝をするという人だ。
それが良いか悪いかはともかく、上には上がいた。
作業員詰所すし詰め状態
ある日、現場の納まり確認をしていたところ、気になる点があった為、職長さんにそれを伝えようと作業員詰所へ行った。
時間はお昼を回って12時15分頃。
そこに探していた職長さんはいなかったのだが、代わりにそこには目を疑うばかりの光景が。
その詰所の広さは3間×10間だから100㎡程だろうか。
すし詰めというべきか、テトリスというべきか、職人さん同士が複雑ながら、きれいに配置されて寝ている姿がそこにはあったのだ。
作業員詰所は冷暖房が備え付けられていることが多いので昼寝にはもってこいの場所だ。
そのインパクトがあまりにも大きかったためか、私は扉を開けた次の瞬間、そっと扉を閉じるしかなかった。
現場駐車場
工事現場の駐車場は職人さんの車で満車になっていることが多い。
車のなかも絶好の昼寝場所だ。
車もエンジンをかければ冷暖房が効くので快適なのだ。
駐車場における車内もお弁当からの昼寝の主戦場となる。
ほぼすべての車がエンジンをかけるのでアイドリングによる排気ガスで駐車場はものすごいことになる。
よくこれで、一酸化炭素中毒にならないなと思うほどだ。
そのような状態になるので近隣への迷惑を考え、アイドリング禁止になっている工事現場もあるのだが、そのような場合の駐車場は職人さんにとって地獄だ。
夏は車の窓全開とはいえ灼熱、また冬は窓を閉めているとはいえ極寒の中で昼寝をすることになる。
冗談ではなく生死にかかわるかもしれない状況だ。
いかがであろうか。
昼寝が職人さんにとっていかに大切なものかが分かったのではないだろうか。
なぜ、そこまで昼寝に命がけになるのだろうか。
昼寝をしなければ午後の仕事の効率が下がるのか。
それとも前日飲みすぎて寝不足なのか。
一説には20分から30分の昼寝をすると「集中力向上」「ストレス軽減」「作業効率アップ」「心疾患や認知症予防」の効果があるとも言われていることを考えると、実に理にかなった行動とも言える。
昼寝に命をかける理由はさまざまだが、とにかくその執念はすごいということだけは実感している。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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