2024.07.13
建設業界は、イカツイ身体をした職人さん達の集まりというのが一般的な認識だ。
そんな業界だから、工事現場では乱暴な言葉も飛び交ったりするのは日常の風景だ。
しかしそんな乱暴な言葉を抜きにしても、とんでもない言葉が平然と飛び交う。
ゼネコンに入社した私が、「ここにいたらいつかコロされる」と思ったほどだ。
いったいどんな言葉が飛び交っているのだろう。
代表的な8例を取り上げてみよう。
いじめる!
使用例「この部屋を少しいじめれば、納まるだろ!」
日本語訳「この間仕切りを少しズラして部屋を縮めれば、納まるよ。」
間仕切りなどをズラして、片方の空間を狭くすれば、反対側の空間が広くなる。
この狭くなる方の空間がいじめられている空間だ。
いじわるをして空間を狭くするようなイメージからこのように言うのだろうか。
埋めコロし!
使用例「そこの配管、埋めコロしておけ!」
日本語訳「そこの配管、そのまま土に埋めちゃっていいよ」
いじめるどころか、コロすとは物騒すぎる。
主に使用してないものをそのまま埋めてしまうことを「埋めコロす」と言われる。
なぜそのように言うかは謎である。
はめコロし!
使用例「ここのサッシは引き戸か?はめコロしか?」
日本語訳「ここにつく窓は引き戸?FIX窓?」
FIX窓とは、窓枠にガラスがはめ込んであり、開け閉めができない窓の事。
埋めコロしを踏まえて考えると、どうやら動けなく固定してしまう状態を「コロす」というのかもしれない。
死に場所!
使用例「点検口付けなかったらデッドスペースになるだろうが!」
日本語訳「この空間に点検口がなかったら、無駄な空間になってしまうでしょ」
「死に場所」を英語にすると「デッドスペース」。
どこからも出入りできない空間のことをこのように言う。
有効活用できない空間だからこのように言うのだろうか。
鉄砲!
使用例「おい、鉄砲もってこい! 」
日本語訳「おい、コンプレッサー釘打機もってきて」
最近はDIYでも良く使われるようになった、壁などを固定するためなどに使う釘打機のことをこのように言う。
なぜかと言えば、単純に形状が似ているからだろう。
糞!
使用例「壁が糞だらけだから、掃除しておけ!」
日本語訳「壁がパテや撥ねたコンクリートなどで汚れているから掃除しておいて」
不純物が付着しており、汚れている状態をこのように言う。
何となく、汚いからこのようにいうのだろうか。
もっと別の表現がありそうなものだが。
地獄!
使用例「おい、この配管地獄だぞ!」
日本語訳「おい、この配管両方が固定されていて、継手を差し込めないぞ」
配管と配管は継手で接続する。
その手順は配管⇒継手接続⇒配管となるのが一般的だ。
それが、両方の配管を先に固定してしまうと、その間に後から継手を差し込むことになるが、配管が固定されていて動かないと、間に継手を差し込むことができない。
この状態を地獄配管という。
なぜそのような言い方をするのかは、地獄の鬼のみぞ知る。
生きてる?死んでる?
使用例「この電線生きているか?シんでるか?」
日本語訳「この電線は電気流れているのか?流れていないのか?」
配管に水が流れているか、いないかというときにも「この配管生きる?シんでる?」と言ったりする。
使える状態であれば生きてる、使えない状態であればシんでると言うわけだ。
工事中は基本的に、生きてると感電したり、漏水したりするので危険という認識から、シんでいる方が安心されがちだ。
今回は、建設業界で使われている、物騒な言葉を8例紹介した。
建設業界の人でなければ、勘違いしてします言葉ばかりだ。
しかもイカツイ身体をした職人さん達が平然とこのような物騒な言葉を使うだけに厄介だ。
何とも恐ろしい業界である。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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