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執筆者の写真アルノ

入札でなく特命で仕事をもらうには

2023.08.05

ゼネコンやサブコンは営業活動によって仕事を発注してもらい受注する。


その際、発注形式が入札だと同業他社と競合しなくてはならず、落札したとしても必然的に金額は厳しいものとなる。


そうならない為には、顧客から特命で仕事をもらう必要があるのだが、それはなかなか難しいものだ。


では、どうすれば特命で仕事を受注できるだろうか。


さまざまあるのだと思うが、私の経験から考えられる方法について言及してみる。



建築部長との会話

ある日、車で支店の建築部長と二人になった時に、私は次のようにたずねてみた。


「ウチの営業は、数年後に特命で仕事をもらえるような営業活動はしているのでしょうか。」

すると建築部長はしみじじ「してないなぁ」といった。


その言葉を聞いてがっかりした。


当然そのような動きは一朝一夕で結果に結びつくものではないだろうが、していないという言葉はショックだった。


せめてその方法を日々検討し、挑戦していくという活動をしてほしいと思ったものだ。



建築副本部長との会話

その後、別の日に、本社の建築副本部長との会話で、前述の支店建築部長との会話をしてみると副本部長は意外なことを言った。


「営業に特命を取るような動きはできない。特命の仕事を取るのは建築社員の仕事だ。いい仕事をして、その顧客に次もまたお願いしたと思わせることでしか特命の仕事を増やすことはできない。」


その副本部長は百戦錬磨の現場たたき上げであるだけに、その言葉には重みがあり、納得した。


必ずしもそれしかないことはないと思うが、それが一番の近道であるように思えたことを今でも覚えている。



スーパー配管部隊

自分の周りにもその言葉を裏付けるような経験がある。


ある現場において、サブコンの下請会社で竣工間際の忙しい時期に応援にきた配管施工部隊4人組がいた。


非常に動きがよく、仕事も早く、難しい納まりも臨機応変に対応してくれた。


臨時で応援にきたのだが、あまりにも仕事ができたためその現場のサブコン社員の目に留まり、後日聞いた話だとそのサブコン社員の次の現場で仕事をしているとのことだった。


十年以上前の話だが、ゼネコンの私ですら今でもその4人組の印象を強烈に覚えている。


まさに、いい仕事が特命につながった事例と言えよう。



自身の体験

そういえば、私自身にも似たような体験があった。


ある現場で、顧客、設計事務所、監理者、ゼネコン、サブコンの間で取りまとめることが難しい案件を、私はしばらく注視していたのだが、それぞれが各立場で言いたいことを言うばかりで一行にまとまる気配がなかったので、業を煮やした私が中心になり、順序だて一つ一つ解決していったことがあった。


たった半日のそのことだけなのだが、それで顧客の信頼を得た私は、同じ顧客の次のプロジェクトが始まる際「設備電気担当はぜひアルノさんで」と言われていると、当時の設備部長に言われたのだ。


特命工事に結びついたわけではないが、副本部長が言っていたことはこういう信頼構築の積み重ねは現場の人間でしができないということなのだろう。



営業にできること

「営業活動で顧客の信頼を得るには」とネットで検索すると


・顧客に訪問する

・自分が顧客になる

・顧客の企業風土を理解する


がなどの項目がヒットする。


一見どれも小手先に見えてしまうのは、私だけであろうか。


顧客訪問をやりすぎると顧客の時間を奪うことになる、自分が顧客になるには限界がある、企業風土を理解した先にどう仕事につなげるかが非常に難しい。


営業活動というのは難しいものだ。


前述のような活動の他にも非常に多岐に渡る。


しかしそれでも特命で仕事を得るのは難しいのだ。




以上、ほぼ副本部長の受け売りだが私が考える特命で工事をもらう方法について述べてみた。


このブログをご覧の方は特命工事を受注するための方法を他に持っているだろうか。

持っているならぜひシェアしてほしい。


建設業界が、過剰な競争入札で疲弊しないための知恵が欲しい昨今である。






 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。


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