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  • 執筆者の写真アルノ

ゼネコンの設計事務所との勝負方法

2023.07.15

工事現場においてゼネコンが設計事務所を味方につけるかどうかは、非常に重要な問題だ。


そういう意味では、設計事務所との勝負というのは、設計事務所を味方にできれば勝ち、対立してしまえば負けと言っても過言ではない。


「従って従わせる」という言葉があるが誤解を恐れず言えば、手のひらで転がすことが大切なのだ。


今回は、設計事務所の考え方、設計事務所の思考、設計事務所との勝負の仕方等を述べていきたい。


ゼネコン、サブコンの方は必見だが、設計事務所の方はとても興味深いかい内容となるだろう。



意匠設計という人種

ある現場で設計事務所の数人とゼネコンは私だけというメンバーで飲みに行った時のこと。


意匠設計出身の年配の方で、その現場では建築の工事監理をしていた方が、酔ってつい言ってしまった一言が今も忘れられない。


「設計の醍醐味は人のお金で好き勝手に建物をデザインしたり、建てたりできることだ」


彼はそう言ったあと、私の顔をみてハッとしていた。


きっと、ゼネコンに聞かれてしまったことを後悔したのだろう。


意匠設計の全員が、このような考えとは思わないが、このように思う人は少なくないように感じる。


一体ゼネコンのお金、さらには施主のお金をなんだと思っているのだろう。


酔った席とはいえ、私はその一瞬でこの方を嫌いになった。



設計事務所は自分のミスの金を払わない

設計図は、はっきりいって間違いだらけだ。


昨今はその傾向が、さらにひどくなってきた。


SNSで設計の方が私へのリプライで言ったのが次の言葉だ。


「設計図は確認申請を通す為に法的に満たされていればいい。納まりを考えるのは施工者の仕事だ」


このように考える設計者がいることに正直、耳を(目を)疑った。


だから法律は守っていても、設計ミスはいくらでもある。


ゼネコンの現場での仕事が設計図の不備を一通り洗い出し、質疑をあげることからはじまるほどだ。


それなのに設計事務所が設計ミスに起因する追加工事のお金を払うことはない。


施主にしてみれば、設計ミスなのだから設計事務所がなんとかしてと思うし、設計事務所は設計監理料以外のお金はもらってないから出どこがなく、何とかしてゼネコンに払わせようという考えだ。


あれこれ理由をつけてゼネコンに払わせようとする。


設計事務所の社内におけるすぐれた設計者とは、設計ミスをいかにゼネコンのせいにし、自社はお金を払わないで済ますか、なのではないかと疑いたくなるくらいだ。


そんなことに苦心するのであれば、設計ミスがないような社内システムを確立することが本来のあるべきすがただと思うのだが、そういう会社は少ないように思える。



設計ミスを設計事務所に検討させる努力

従ってゼネコンとしては設計ミスを設計事務所の責任にするという当然のことに苦心しなくてはならないのだ。


まったく無駄な努力をさせるものだ。


ごめんなさいと頭を下げれば、多少の設計ミスはゼネコンが支払うという現場所長も多いだろうが、彼らの設計者としてのプライドがそれを許さない。


だから、ゼネコンとしても責任を押し付けられないように戦略を考えなくてはならなくなる。



設計事務所に検討させた実例

ではどのような戦略をたてればよいのだろうか。


私が行った実例を挙げてみよう。


躯体工事もいよいよ上棟しそうな頃、躯体図と電気の設計図を見て、あることに気づいた。


RCの屋根がかかった室外機置場が庇のような形状になっていた。


そしてそこに感知器はなかった。


法令では、庇の長さが5mを超えたら熱感知器を付けることが推奨されている。


そこは庇部分10m程度あり当然、設置の対象になるのだが設計図に感知器はなかった。


広いエリアで打ちっぱなしのスラブは小梁で細かく区切られていた。


まともに感知器を設置したら数十個と設置しなくてはならないだろう。


ここで私から設計事務所に「感知器が必要だと思いますがどうしましょう」と質疑したら「設置してください」で終わってしまう。


そこで私は定例会議の議題に載せ、施主をはじめ関係者がいる前で、「設計図にはありませんが、おそらく必要になると思います。しかし設置しようとすると露出配管がだらけになってしまい、意匠的に見るに堪えない状態になります。」という言い方をした。


そして施主から「なんとかなくす方向にできないか」という流れにもっていってもらい、設備設計が消防を説得し特例でなしにするように動いてもらった。


結果、自分で動かず設計を動かし、追加工事もなしで済んだ



大切なのは構図

大切なのは、「施主、設計事務所vsゼネコン」ではなく「施主vs設計事務所、ゼネコン」の構図を作ること。


「施主vs」の意味は、施主に対するのではなく、設計事務所を孤立させず味方につけることが大切ということだ。


設計事務所を味方につけ、こちらの意図する動きをしてもらうことができれば、ゼネコンが請け負けとならない現場とすることができる。



いかがであろうか。


今回の内容は秘密にしておきたいゼネコンの私にとって、とっておきのネタだ。


こんな策士のようなことを考えているゼネコン担当者はあまりいないと思うので、ゼネコンサブコンの方は参考にしてもらうといいだろうし、設計事務所の方は、私のような考え方をするゼネコン担当と現場であったら要注意と思うといいのかもしれない。






 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。



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