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  • 執筆者の写真アルノ

スーパーゼネコンと他のゼネコンの現場監督の違い

2023.05.27

実はスーパーゼネコンと他のゼネコンの現場監督では働き方、働く内容等さまざまな部分で大きな違いがある。


その差は、同じ現場監督なのにこんなに違うのかと思う程だ。


これは言い方を変えると、スーパー以外の現場監督はスーパーゼネコンで使い物にならないし、逆にスーパーゼネコンの現場監督は他のゼネコンでは使い物にならないということを意味する。


では、具体的にどのように違うのだろうか。


働き方を含め、5つの面からその違いについてみてみよう。



年収

だれもが知っていると思うが、スーパーゼネコンの平均年収はずば抜けている。


大手ゼネコン、中堅ゼネコンの年収も決して少ないわけではないのだが、それにしてもその差は大きい。


例えばスーパーゼネコンの中で平均年収1位のゼネコンはなんと1,100万円。


あくまでも平均年収なので、部長クラスなら2000万円を超えるのではないだろうか。


それに対し平均年収10位の大手ゼネコンは860万円。


その差250万円。


これほど違うのだ。


スーパーゼネコンと大手ゼネコンの間には大きな壁がある。



会社のサポート

工事現場では、技術的支援、購買支援等、様々な支援を必要とする。


スーパーゼネコンはそのような現場支援体制が充実している。


例えば「エンジニアリング工務技術部」などという一見、何をやっているのか分からないような部がある程、細分化された支援体制が確立されているのが特徴だ。


逆に他のゼネコンにおいては、会社の規模が小さくなるほど現場で完結しなければならない内容が増えていく。


その分、現場の負担が増えていくし、内容も深堀するには限界がある。


組織力でスーパーゼネコンにとても勝てる気がしない。



現場監督の専門性

スーパーゼネコンの現場監督は、専門性に特化されている人が多い。


大きな担当分けとして、工事と工務に分かれるのはどの現場も同じだと思うが、スーパーゼネコンでは更に、躯体の専門、建具の専門、内装の専門、外装の専門、ヘタをすると躯体の専門のなかでも鉄骨、鉄筋、型枠等に細分かされている場合もある。


それらの専門は次の現場に行っても同じ工種を担当することが多いので専門性が特化される。


つまり、専門家の集まりで現場を形成しているのだ。


一方その他のゼネコンは、全ての工種を見ることができる現場監督が多い。


現場ごとに、業務上担当分けはするが、基本的なスタンスとしては、現場監督がみんなで躯体工事を行い、仕上げ工事を行うというイメージだ。


従って、この現場ではコンクリート担当をしたが、次の現場では鉄筋担当といったことも普通に行われる。


結果、最終的に全ての工種に精通することになる、設備電気工事以外だが。


スーパーゼネコンはスペシャリスト集団であるのに対し、その他ゼネコンはゼネラリスト集団というわけだ。


現場を組織としてみると、スペシャリスト集団のほうが専門知識が深く、技術力が高くなるという結果になる。



現場の大きさ

スーパーゼネコンの現場の大きさは特に際立つ。


200億円、300億円の現場が多くあり、中には1000億円を超える現場も複数ある。


大手ゼネコンでは、そのような規模の現場は数年に1現場がいいところであろう。


大雑把に区分けすると、スーパーゼネコンは100億円以上の現場、大手ゼネコンは数十億円の現場というイメージだろうか。


中小ゼネコンは数億から十数億円といったところか。


この現場の規模とその数が前述の3つの項目の違いを生み出しているといってもいいかもしれない。



正社員以外の社員の多さ

スーパーゼネコンの大現場は、とにかく人が多い。


職人さんは数百人があたりまえ、現場監督は数十人があたりまえといった具合だ。


しかしその数十人の現場監督の内、正社員はそれほど多くない。


その分、派遣社員、契約社員が多い。


同じ作業着を着ていても派遣社員や契約社員の方が多いので見分けるのはなかなか難しい。

他のゼネコンではどうか。


100億を超える現場ならそのような事もあると思うが、数十億程度の現場であれば、正社員数人、派遣社員、契約社員を合わせて数人といったところだろう。



以上、スーパーゼネコンと他のゼネコンの現場監督の違いをみてみた。


スーパーゼネコンが多くの点で優れているのは、ある程度予想がつくし理解できると思うが、専門性におけるスーパーゼネコンのスペシャリスト性と他のゼネコンのゼネラリスト性という点は見落としがちな違いだ。


そして実はゼネラリストにおける利点は多い。


全体観で現場を見ることができるし、転職時にもスペシャリストよりゼネラリストの方が需要は多い。


ディベロッパーに転職したが建具しか分かりませんでは、活躍はむずかしいだろう。


そういう意味でどちらがいいというわけでもなく、それぞれの長所短所があるとみるとよいのかもしれない。






 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。


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