2021.07.31
発注者時代、各スーパーゼネコンの現場監督の方々と一緒に仕事をする機会が多くあった。
一方、大手ゼネコン、中堅ゼネコン、地方の中小ゼネコンの現場監督の方々とも多く仕事をした。
従って私の中でそれぞれの違い、またいい点、悪い点はよく認識しているつもりである。
今回は、その中でも私が関わってきたスーパーゼネコンの現場監督の方々から感じた印象について述べてみたい。
見積もりが高い
まずスーパーゼネコンの印象として一番強いのは見積金額の高さである。
よく考えれば、それもそのはず。
スーパーゼネコンの各社の組織機構図をみると、何をしているのかよく分からないようなマニアックな部署がたくさんあるし、営業利益率も高い、さらにはテレビCMまで行っている。
それらを可能にするには、それだけ人件費や経費が掛かるという事である。
企業体質をみると見積金額の高さは致し方ないと納得できる。
マネジメントの父、ピータードラッカーは「企業は大きい過ぎる必要はない、最適な大きさであるべきである。」と述べているが、スーパーゼネコンの企業の大きさが最適な大きさかどうかは検討するべき課題なのかもしれない。
組織力はさすが
現場で技術的な検討、納まりの検討、過去の事例等を求めるときには、スーパーゼネコンはさすがである。
会社としての圧倒的な組織力、技術力、抱負な経験から最良の提案が返ってくる。
これが中小ゼネコンだとそうはいかない。
たいていの場合、現場担当者の技術力や経験の範ちゅうで施工する事になってしまう。
結露の検討、音響の検討、新技術の採用など高度の技術力が必要な場合はスーパーゼネコンの場合とても安心である。
プライドが高い
スーパーゼネコンの現場監督にはプライドが高い人が多い。
一流企業としてのプライドなのだろうが、困った事に実力がない人ほどプライドが高い傾向にあるようだ。
どの世界でも言える事かもしれないが、偉大な人ほど謙虚な人が多い。
ゼネコンの世界でも同じ事が言えるようだ。
技術力がない、根拠を示せない等の後ろめたさの裏返しが大企業のプライドの高さになっているのかもしれない。
優秀な人は多い
一方、優秀な人の割合は非常に高い。
発言の根拠が深く、相手を立場、気持ちを考えて発言、行動してくれる人が多いのは非常に好感がもてる。
しかしながら邪推をすると、発注者と関わる現場監督は、主任、副所長、所長といった有役職者が多く経験が豊かな人が多いという事と、発注者は立場が上である為に、そのような丁寧な行動をとっているのかもしれない。
ツイッターなどで聞く職人さんの声はスーパーゼネコンの現場監督は、傲慢で無茶な事ばかり言うという意見が多い事もまた事実である。
立場が上の人と下の人で、態度を大きく変えるというのは人として感心できる事ではない。
そのような事はないと願いたいものである。
結局、企業でなく人
その人が優秀かどうかという判断は、結局、スーパーゼネコンの社員である、中小ゼネコンの社員であるというくくり方は当てはまらない。
当然、大現場を経験しているから優秀で、小さな現場しか経験していないから優秀ではないというくくり方も当てはまらない。
結局は、その人自身の問題である。
ただし、上記のくくり方に対して、そのような人の割合が高いという事は大いに言える。
スーパーゼネコンには優秀な人が多いし、大現場を経験している人はその分、修羅場を乗り越えてきているという点から優秀な人の割合が多いというのが私の結論である。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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