2022.11.19
そもそも土木作業員どういう仕事なのだろうか。
土木作業員とは土木作業を行う人、つまり道路工事、河川工事、水道工事、外構工事あらゆる工事で、いわゆる土を掘ったり埋めたりする人だ。
だから土木工事に限らず建設工事でも土木作業員は存在する。
そしてその土木作業員のおかげで、日本のインフラは成り立っているのだ。
しかし、土木作業員への世間の風当たりは厳しい。
でも実際はどうなのだろうか。
そんな土木作業員の実態、現実、将来性について述べる。
土木作業員の世間的イメージと現実
土木作業員のイメージははっきり言って最悪だ。
きつい、汚い、危険の代名詞と思われている。
更には底辺職業の代表と思われている節がある。
土木作業員の彼氏と結婚しようとしたら、親に反対されたなどという話もたまに聞くことがある。
何とも損な職業だ。
では現実はどうか。
収入面でいうと土木作業員は日給月給ながら月収25万円前後が平均のようだ。
これは、大卒の新卒サラリーマンの月収を超えてくる。
つまり、中卒15歳で土木作業員になれば大卒22歳よりも月収が高いということもありえる。
決して、低いとは言えないだろう。
3Kについてはどうか。
きつい、汚いは当てはまるかもしれないが、それは他の建設業の職種もほぼ同じである。
危険について建築工事においては、高所にあがる機会が少ないと思われるため、他の職種に比べるとそれほどでもないと思われるが、悲しいがそう思われているのが現実のようだ。
土木作業員の将来はつらい
では将来性はどうか。
ここに土木作業員に陥りがちな罠がある。
給料がなかなか上がらないのだ。
例えば中卒で土木作業員になったとしよう。
他の同級生が月数万円をアルバイトで稼ぎながら高校生活をおくっている時に、すでに月20万円を超える収入がある。
この金額差はあまりにも大きい。
優越感すらおぼえそうである。
同級生が大学へ通っているころには、貯金が数百万円などということも可能だ。
そうなると、このまま土木作業員を続けていこうと思う人も多いに違いない。
しかし、給料は上がらない。
30歳になるころには同級生との収入は逆転している。
40歳になると収入的にもさらに、体力的にも仕事がきつくなってくる。
そうなってはじめて、今から他の道を目指す選択肢が少ないことに気づくのである。
土木作業員を抜け出すには
では、そうならないためにはどうすれば良いか。
それにはスキルを身につけることだ。
例えば、ユンボ、玉掛け、高所作業車等の様々な特別教育や技能講習を受けるとよいだろう。
休日などの時間を使いCAD操作を勉強するのもお勧めだ。
多くのスキルを身につければそれだけ、仕事の幅がひろがり、頼りにされ会社によっては給料もあがる。
スキルを身につけると自分自身の仕事へのやりがいも増し楽しくなってくる。
達成感も大きくなっていくだろう。
そしてもっともお勧めのスキルは一日も早く職長(監督責任者)になり管理者としての実務経験を積み、土木施工管理技士や建築施工管理技士の資格を取得することだ。
はじめは、2級施工管理技士を取得し、その後1級施工管理技士を取得すれば、現場監督への転職も可能になる。
そうなれば将来も大きく開けるに違いない。
勉強が嫌で土木作業員になった人にとって、勉強によって将来が開けるとは皮肉な話かもしれないが、結局のところ人がやらないことをやる人が強みを発揮するということだ。
土木作業員にはいい面もあるが、将来を見据えると厳しい現実がある。
しかし、冒頭に述べたように土木作業員によって日本のインフラは支えられている。
たとえ生涯、土木作業員を続けたとしても、夫婦共働きなら十分生活は成り立つだろう。
それも一つの選択肢だ。
ただ一つ言えることは、自分の将来については十分に考えた上で選択するべきであって、何も考えず、ただなんとなく毎日働いて、後に後悔することのないようにだけはするべきということだ。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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