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執筆者の写真アルノ

はじめての現場監督

2022.07.16

新入社員として会社に入ってはじめて自分でおこなった仕事はなんだろうか。


また、それを覚えているだろうか。


きっと、はじめて達成感を覚えた仕事、感動した仕事は、いつまでも覚えているのではないだろうか。


私にも若かりし日、そんな時があった。


今回は私が、ゼネコンに設備担当者として入社し、一人前になるまでの足跡を振り返ってみるとしよう。



はじめての段取り

研修期間を終え、4月下旬に現場に配属され、しばらく上司の後ろをついて回っていた私はある日、所長に仮設電気担当を命じられた。


仮設電気とは工事現場で職人さんが工具などを使うための電気の事だ。


当然だが工事中の建物にはまだ電気が通ってない。


その為、仮の電気を職人さんが仕事をできるように明るくしたり、コンセントを準備したりと、必要最低限準備するのだ。


その直後、さっそく先輩から現場のある部屋に次の日に左官屋さんが仕事をするので照明とコンセントを準備するよう指示された。


私は何をどうすればいいのか困った。


すると先輩は、仮設電気屋さんの番頭さんの名前と電話番号を教えてくれ、その人にお願いするといいよと助言してくれた。


ドキドキしながら番頭さんに電話すると「ヨッシャ―分かったぁ」との返事。


その日の内に照明とコンセントを準備してくれた。


たったそれだけなのだが、私が電話をしたことにより電工さんが仕事をしてくれ、現場が変化し、左官屋さんの役にたったことがうれしかったのを今でも鮮明に覚えている。



はじめての担当現場

その現場と次の現場の2現場は、上司の下について現場に常駐していた。


そして3現場目からはいよいよ私が現場を担当することになった。


設備電気担当として常駐したのだが一番下っ端だった私は、建築工事の雑用もさせられた。

現場の掃除はもちろん、朝礼当番、タイル図のタイル割、鉄筋を組んだり、スリーブの補強筋を取り付けたり、とにかくいろいろやった。


2週に1度程度、上司が見に来たがその都度「いつも何をしている?」と聞かれ私は「建築の雑用」と答えていた。


まだ2年生だったので工事監理のおじいちゃん達にもかわいがられ、いろいろなことを教わった。


熱をだして定例会議に出られず寝込んでいたところ、主任から電話がきて、出てこいと言われ、ヘロヘロになって定例会に参加してこともあった。


主任と二人でディベロッパー本社へ行き、平面詳細図の検討や色決めなどをしたこともあった。


主任と二人で午前10時に会議室にこもり、巨人阪神戦をチケットを申し込んだこともあった。


ディベロッパーの行きつけの中華料理屋にみんなでごはんを食べにいき、ディベロッパーの担当者に冷やかされ、そこでバイトをしていた中国人留学生と付き合うことになったりした。


トイレの流水音が寝室に響き、消音の為、いろいろな部材を試し、騒音測定してまとめた報告書をディベロッパーの担当者が社内で発表し評価され、感謝されたこともあった。


苦労も多かったが、はじめて自分の力で納めたその現場のことは今でもよく覚えている。



いきなり4現場兼務

その現場が竣工し3年生になった私は支店に呼ばれ、部長からいきなり4現場を兼務するよう命じられた。


前の現場での実績が評価されたのだろうか。


評価されたにしてもその反動がえげつない。


おいおい、兼務は仕方ないにしてもいきなり4現場かよ。


とも思ったがやるしかないと気持ちを切り替えた。


4現場もそれぞれの苦労があり、それぞれのやりがいがあった。


その4現場でのエピソードもすでにいくつかブログで紹介している。


こうして設備担当者として一人前になっていったのだが、こうして羅列するとなかなかのスパルタだなと思う。


我ながらよくやったものだ。



段取り一つからはじまり、現場をはじめて納め、複数現場を担当するようになり、その過程ではいくつものやりがいと達成感があった。


内勤で、施策を実現したり、成果を出したりしても達成感はあるが、現場での達成感には及ばない。


汗をながし、体をはり、考え、相談し、積み上げた末の結晶として完成する建物は、自分が成し遂げた、そして生きた証でもある。


その達成感が何物にも代えがたいのは言うまでもないことである。






 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工管理技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。


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