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執筆者の写真アルノ

転職面接時のイレギュラーな返答エピソード

2022.07.2

ご存じの方もおられると思うが私は複数回を転職した。


職歴はゼネコン→発注者→ゼネコンである。


発注者からゼネコンに再び転職する時の面接が少し変わった展開になった。


ツイッターのフォロワーの方から、その時の話を聞きたいとの要望があったので、今回はその最終面接でのエピソードを述べると共に、その役員の方々に私のつたない長話しを聞いてくれたことと、その上で採用してくれたことに感謝を申し上げたい。


いつもだったら、4種の施工管理技士の転職時の威力について話すところだが、今回それは封印する。



面接の準備

当然だが、面接には準備が必要だ。


私も準備をもって臨んだ。


私からの要望は一次面接時に伝えたので、最終役員面接では主に質問に解答できるような準備をした。


具体的には、エントリーシートに書いた内容をあらゆる角度から聞かれても、詳しく説明できるようにする事だ。


それでも面接はいつも不安だ。


どのような質問、展開になっていくかは、やってみなくては分からないからだ。



役員が聞きたかった内容

最終面接の相手は役員3人と自分の上司となる部長、そして人事担当者の計5人。


面接がはじまると、しだいに相手が何を一番聞きたいかが分かってきた。


私の一回目の転職がヘッドハンティングだったこともあり、二回目に再びゼネコンに転職するにあたって、最初にゼネコンを辞めた理由を確認したかったようであった。


それも当然だ。


もし、採用して同じような理由が発生したら、また転職されてしまうかもしれないからだ。

採用する側は当然、定年まで勤めてくれる人材をも求めているのだ。



準備していた二つの答え

「なぜ、最初の会社をやめたのですか?」との問いに、私は答えを二つ用意していた。


一つは「違う環境で自分を試したかった」という当たり障りのない、箸にも棒にもかからない、社交辞令的な相手も納得しないであろう、とても本当とは言えない回答。


もう一つは、話せば長くなる本当の回答。


辞めたきっかけは発注者の企業から声をかけられたことなのだが、そこに行くかどうかを決断したのは思索の上、自分の中にある結論を見出したからだ。


どちらを答えようか迷った末、私は役員に聞いた。


「その理由は話せば長くなるのですがいいですか?」


すると


「時間はたっぷりあるからぜひ話してください」


とのことだったので、私は本当の理由を話しはじめた。



面接でこんな話をするヤツ絶対いない

昔、中国の漢の高祖劉邦の時代、漢の三傑と言われる優れた部下が三人いました。


劉邦は宿敵項羽を破り天下を統一した直後、部下たちの論功行賞を行うことになりました。


その時、劉邦が功績の第一としたのは軍略、戦術にたけた国士無双の大将軍韓信ではなく、謀ごとを帷幄のなかにめぐらし千里の外に勝利を決した軍師張良でもなく、劉邦が項羽に百戦百敗するなか、その度に後方の地から兵士と兵糧を送り続けた文官の蕭何でした。


常に前線で命をかけて劉邦と共に戦った武将や知将たちは、命の危険のない後方の地で仕事をしていた蕭何がなぜ最も功績が大きいのかと主君劉邦に詰め寄りました。


それに対して劉邦はこう答えました。


「狩りでは人は網を張り猟犬を遣わし、猟犬が獲物を追う。君たちの功績は猟犬の功績、彼の功績は人の功績である。」


この話は、蕭何がいたからこそ、劉邦は戦争に負け続けながらも安心して項羽と戦いを続けられ、ついには打ち破ることができた、ことをもって第一の功績とするとしています。


私は、発注者として建物を建て管理するという事は、その建物を使う人たちが安心して、思う存分仕事をできるという、蕭何にも似たとても大切な役割とやりがいを感じ、転職を決意しました。


私はこのように最初の転職理由を説明した。


おそらく10分くらい話していたと思う。



そのあとの質問

その後も質問は続いた。


・ではなぜ発注者をやめようとしているのか


・採用されて、別の会社から同じような誘いがあったら再度転職するのか


これらの質問は当然くるだろうと予想して事前に答えを準備していたので卒なく答えた。


他、補足の質問と少しの雑談をして、お互い笑顔で面接を終えることができた。


結局、私一人の面接に1時間弱くらいかかってしまった。


帰りのエレベーターで私を送ってくれた人事担当者は「あの感じだったら間違いなく合格です」と言っていたのはさすがに「そんなこと言っていいの?」と思わず笑ってしまった。



会社役員の時間単価は計り知れない。


その方々が、私のつたない話しを途中で遮ることなく、最後まで真剣に聞いていてくれた姿は今でもよく覚えている。


聞いた上で、それに紐づく質問をしてきたこともとてもうれしかった。


改めてその時、面接官を務めてくれた方々に感謝したい。


私は、面接の手応えもあり、季節もよかったので都内を散策して帰途についたのだった。






 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工管理技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。


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