2022.03.19
どの業界にも関連する資格があり、そしてその業界にいながら資格を軽視する人が一定数いる。
私は、建設業界ではそのような人が特に多いのではないかと感じていて、当然資格を軽視する人というのは、資格を持っていない人が多い。
資格を取る気がないから資格を軽視するという人は論外として、軽視する人も一定の言い分がある。
一体どのような言い分があり、その意見を踏まえて、どのようにするべきなのかについて述べてみよう。
資格を持っている人ほど仕事できない
昔は特に言われたのだが、資格を持っている人ほど仕事ができないというジンクス的なものがあった。
実際に私も「あの先輩、あまり仕事ができないな」という人に限って1級建築士を持っていたりしたことがよくあった。
逆に「この先輩の現場を納めるちからはすごいな」という人に限って、1級建築士どころか、1級施工管理技士も持っていないということもよくあった。
勉強は得意だが、仕事は苦手という人もいるだろう。
仕事は得意だが、勉強は苦手という人もいるにちがいない。
特に現場監督は、座学では学ぶことができないさまざまな能力を必要とする。
コミュ力、統率力、性格的要素などは座学とはあまり関係ない能力であろう。
その為に、資格を持っている人ほど仕事ができないという現象が一定数、発生してしまうようである。
資格取得マニアになるな
資格取得が目的となっている人がたまにいる。
前述の「資格を持っている人は仕事ができない」と関連するのかもしれないが、資格取得が目的となっているが為に、実際の仕事ができないという人もいる。
そういう人を資格を持っていない人から見たら、あの人のようになってはいけない、と思うのもうなずけることだ。
かくいう私も1級施工管理技士を4種類取得しているので、人によっては私の事を資格取得が趣味の人と見えかもしれない。
私としては、断固否定したいが・・・。
資格を取るヒマがあったら技術を磨け
「資格を取るヒマがあるなら仕事しろ」という乱暴な意見がある。
資格試験の勉強をするくらいなら仕事で技術力を磨けという意味であろう。
逆に「仕事が忙しくて資格の勉強をする時間がない」という意見もある。
特に現場監督は非常に忙しい。
たしかに夜遅くまで残業していたら勉強をする時間はない。
家に帰れば寝るだけという人もいるだろう。
帰れない人さえいるのではないだろうか。
そこまで働いていれば、休日は終日寝ていたいというのももっともな話だ。
きっとそんな人からみたら、資格を持っている人はどうやって勉強したのだろうと不思議に思うのではないだろうか。
資格取得の本当の価値
ここまでに羅列してきた事は、実は資格を取得しない理由にはならない。
資格を持っている人は仕事ができない人はいるかもしれないが全員がそうではないし、資格を持つと仕事ができなくなるわけではない。
資格をたくさん持っている人も同様である。
また、仕事で技術を磨けば資格を取らなくていい理由にはならない
悲しいかな、会社や一般社会は人材の評価について資格の有無を重視する。
時には転職など人生の大事な選択が、資格の有無で決まることさえあるのだ。
そしてなにより、資格取得に際して勉強することによる知識の習得は、現場でこれから経験すること、現場では決して経験しないが知っておかねばならないことを学ぶことができる。
資格取得のみを目的とせず、資格取得による技術の習得をも目的にした時、本当の資格の価値が発揮されると言えるのだ。
私自身、ある1級施工管理技士の第2次検定で不合格になり、次の年にもう一度受験して合格になった時に、第2次検定をもう一年受験したことにより知識が一層深まったことが自覚でき、1年目が不合格になってよかったと思ったものである。
資格と技術の両輪
資格は大切である。
技術も大切である。
資格取得で学んだ知識を現場で経験すると、ただ現場で経験するよりもう一歩深く理解することができる。
逆に資格を取得したからと言って技術を軽視したら、本当の意味での技術者にはなれない。
一流の技術者であるならば、資格も技術力も持っているべきであるのは言うまでもない。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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