2022.02.26
ご存知のように施工管理技術検定の試験制度が令和3年度から一部変更になった。
そして変更になってはじめて行われた令和3年度の第一次検定試験においは、若干混乱が生じたようである。
混乱した理由も含め、ここでは建築、土木、電気工事、管工事、電気通信工事施工管理技士の第一次検定試験の内容を整理し分析する。
第一次検定試験合格の条件
1級施工管理技士の第一次検定試験合格の条件は次の通りである。
全体の正答率60%以上 更にその内の施工管理法応用能力問題で定められた割合
つまり全体で60%以上の正答を求められ、なおかつ施工管理応用能力という括りの問題単独でも定められた割合以上の正答率を求められる。
施工管応用理能力問題という足切りが行われることになったのだ。
試験全体でみる合格の条件
前述のように、第一次検定試験に合格するには試験全体で60%以上の正答が必要だ。
すなわち1級土木施工管理技士は選択問題を含め65問解答して39問以上正答で合格、それ以外の1級施工管理技士は選択問題を含め60問解答して36問以上正答すれば合格となる。
ただし各試験ではそれぞれの出題数が異なるという特徴がある。
以上を整理すると次のようになる。
1級建築 72問出題 60題解答 36問以上正答で合格
1級土木 96問出題 65問解答 39問以上正答で合格
1級電気工事 92問出題 60題解答 36問以上正答で合格
1級管工事 73問出題 60問解答 36問以上正答で合格
1級電気通信工事 90問出題 60問解答 36問以上正答で合格
また、施工管理応用能力問題以外は四肢択一問題、つまり四択問題だ。
施工管理応用能力問題(足切り問題)でみる合格の条件
令和3年度の試験で混乱が生じたのはこの足切りにおいてだ。
ではなぜ混乱が生じたのだろうか。
その理由は試験の種類により施工管理応用能力問題の定められた合格の割合が以下のように異なるからである。
1級建築工事施工管理技士 五肢二択 60%以上 実際の試験は6問中3問以上正答
1級土木施工管理技士 五肢択一 60%以上 実際の試験は15問中9問以上正答
1級電気工事施工管技士 五肢択一 50%以上 実際の試験は6問中3問以上正答
1級管工事施工管理技士 四肢択一 50%以上 実際の試験は7問中4問以上正答
1級電気通信工事施工管理技士 四肢択一 40%以上 実際の試験は5問中2問以上正答
どうだろうか、試験の種類によりだいぶバラつきがあることが分かるだろう。
混乱の原因
なかでも1級建築施工管理技士は五肢の中から二つ選び両方正解しないと正答とならなく、かつ合格に必要な正答率も、他と比べてもっとも高い60%以上となっていた。
このことにより、受験者が試験後、ネット上でざわついた。
ちなみに60%以上とは国土交通省発表の合格基準であり、その文書には以下のような文言が記載されていた。
「基準以上の者を合格とするが、試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある。」
1級建築施工管理技士についてははあまりにも合格率が低かったからであろうか、この文言をよりどころとして、実際の合格の為の正答率は60%以上が50%以上に変更されたようだ。
つまり、6問中4問以上でなければ合格とならないところが、6問中3問以上で合格となった。
ちなみに令和4年度以降がどのようになるかは発表されていない。
いずれにしても施工管理応用能力問題が大きな合否のポイントとなるのは間違いないだろう。
合格のためのポイント
以上を踏まえた上で合格の為のポイントは、足切りである施工管理能力問題を入念に勉強する事だろう。
そこさえおさえれば、たとえば1級電気工事施工管理技士であれば、92問中、36問正解すれば合格なのである。
必要正答率わずか40%、しかも四択問題。
自力で28問正解ならば、あとは自信がなくても四択問題なので残りの問題を1/4の確率で正解すれば36問正答に到達し合格。
92問中28問の自力正答で合格、そう考えると、自力での必要正答率は31%。
100点満点で例えれば、31点以上で合格だ。
こんなにやさしい試験はない!と思えてくるだろう。
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この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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