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執筆者の写真アルノ

むかしの現場監督はなぜか掃除がうまい!

2021.12.18

ゼネコン現場監督は掃除スキルが異常に高い。


なぜなら若い時にさまざまな掃除を経験しているからだ。


今の時代は賛否あるだろうが、昔は掃除に始まり、掃除とともに働き、掃除で仕事が終わったものだ。


そのくせ、自宅の掃除は苦手な人が多いのは永遠の謎だ。


今回はむかしの現場監督がどのように掃除スキルを培っていたか紹介しよう。



朝は事務所の掃除

むかしの現場所長の多くは、若手はだれよりも早く出勤して事務所を掃除し、先輩方を迎えるものだという考えがあった。


その為、若手社員は誰よりも早く出勤して掃除し、誰よりも遅くまで残って事務所を施錠して帰るという苦労をして育ってきた。


今ではなかなか考えられないが、ある時ふと私の父親にその事を話したら「なぜそんな事をする必要があるのだ」と言われてしまった。


サラリーマンが嫌で自営業をしていた父親だからかもしれないが、むかしの人の全てがそのような考え方ではないようだ。


上司や先輩を敬うというそのような儒教的な考え方は分からなくはないが、当然やる方は大変な訳で、それができる人と脱落してしまう人がいるのは自明である。



整理整頓は現場の至上命題

現場では常に整理整頓を心がける。


整理整頓をしなければ、つまずいてケガをするなど災害の温床となるからだ。


全てのもの、たとえゴミでさえ、決められた場所に、水平、垂直に置く、この意識が現場監督には染みついている。


だからだから職人さんが作業後に片付けをしなかったり中途半端なまま帰ると怒りがこみあげてくる。


現場監督が職人さんにいう口癖は「来た時よりきれいにして帰ろう」である。


職人さんの中には作業終了後、きちんと掃除して帰る人もいるが、ガン無視して帰る人もいる。


逆に、作業をはじめる前に作業場所が掃除されていないと職員さんほぼ全員が文句を言うし、なかには怒って帰ってしまう人もいる。


人間とはむずかしいものだ。



墨出しをするのに座敷ぼうきは必須

現場における現場監督の三種の神器、否ほうきは、「竹ぼうき」「土間ぼうき」「座敷ぼうき」。


竹ぼうきは広範囲の粗そうじをするのに使用するが、この竹ぼうきをつかうような掃除はきたなくて広範囲を掃除する場合なのでしんどい場合が多い。


土間ぼうきは中程度の範囲をそこそこキレイにするのに使うで、現場監督が一番多く使用するほうきだ。


そして座敷ぼうきは本気の掃除をするのに使用するがさらにガチだと湿らせたおがくずを撒いてゴミを吸着させて掃除する。


座敷ぼうきで掃除された箇所は誰からも文句を言われないくらいキレイになる。


なにより墨出しをする箇所は座敷ぼうきで掃いてから墨を打つので、墨出しのお共として活躍するのだ。


現場監督たるもの三種のほうきを使いこなしてこそ一人前である。


ちなみに私のゼネコン1年目のメインの仕事は掃除と墨出しの相番であった。


決して自慢できる事ではないが、1年間みっちり掃除を鍛えられた。




たかが掃除と思う人もいるだろう。


パナソニック創業者の松下幸之助が松下政経塾の塾生に毎日掃除をさせるようにしたのは有名な話だ。


掃除一つとっても、いい加減にする人、完璧にする人、効率化を学ぶ人、木の幹の健康状態を知る人、季節を敏感に感じる人、通行人と交流を深める人とさまざまいる。


また逆に言うならば掃除からこれらのことを学ぶ事ができる。


松下幸之助は「なぜ政経塾で掃除というものをさせるかというと、掃除から政治はいかにあるべきかということまで発想させるため」と語っている。


掃除おそるべしである。






 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。



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