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執筆者の写真アルノ

検査で施主にそういう事いわないで

更新日:2021年3月27日

2020.08.29

施主検査などで、派遣社員や外注社員、職人さんなど、ゼネコンのプロパーでない人にありがちなのだが、

「それを施主検査で施主にいわないでよ。」

という事がある。


今回は私が経験したケースを紹介する。



「ここを施工した時、ドタバタで忙しかったんですよ」

施主検査にて検査官から納まりの悪さを指摘された副所長が言った言葉。


検査官も思わず「そういう事、言わない方がいいですよ」と言っていた。


施主側からすれば、ドタバタするのは、施工側の都合で、施工管理がよくないからだという認識である。


つまり、ゼネコンが自ら、「自分は施工管理ができておりません」と言っているようなものだ。


難しいのは、隣にいて一緒に受検している私が「副所長、そういう事を言わないでください」とは、なかなか言えない事だ。


施主がどう思うか想像した発言をしてほしいものだ。



「これは電気屋の責任だな」

派遣社員の現場監督が言った言葉。


普段から、サブコンに対する見下した思いがある事が見え隠れする発言だ。


施主からすれば「電気屋だろうが大工だろうがオタクの請負工事だろ」となる。


サブコンのせいにすれば自分の責任ではないとでも思っているのだろうか。


困ったものだ。



「これは工事をした人が悪いですね」

マンションの内覧会で、検査応援できていた職人さんの言葉。


たしかにその職人さんのいう通りだし、その職人さんには責任ないので、そう言ってしまう気持ちも分かる。


しかしながら、入居者にしてみれば「そんな悪い工事をしていたのか」と不安になると同時に「あなたも工事した側の人でしょ」となるし、私の立場にしてみれば「あなたが悪くなくてもウチの会社として責任あるから」という気持ちだ。


受検者側としての立場が分からずに発言してしまった例だ。



「今からやるつもりでいました」

ゼネコンの外注社員が検査時に施主から指摘を受けた時の言い訳。


子どもが宿題をしてない時の言い訳か!


検査の前に終わらせておけ。


せめて残工事として事前に報告しておけ。


言い訳にもなっていない。


これについては説明するまでもないと思う。


この発言を間近で聞いていた私と施主は開いた口が塞がらなかった。



以上4つの具体例を挙げたが、すべての発言に共通するのは

・施主の立場に立ってないという事、

・施工者の立場をわきまえてないという事

・発言に責任感がなく他人事であるという事


自分を含めてそこにいる人達の立場が分からない人には発言させるべきではないし、二度と検査に立ち会わせないと心から誓ってしまった。


少し広義で考えてみると、周りの人の立場や思いが想像できない人には、顧客が何を求めているか、どうすれば喜ばれるか等も想像できないだろう。


検査だけの話ではなく様々な場面で求められる能力である。


自身も含めて、さまざまな人の気持ちをおもんばかる習慣をつけ、行動できる人にならねばならない。





 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。



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