2024.04.27
現場所長は工事現場の要である。
所長は、大切な顧客とのやり取りはもちろん、部下や大勢の職人さん達をまとめるのも大切な仕事である。
皆からの信頼を得ることで、はじめて所長として認められるとも言えるだろう。
建物を建てるにあたり、お金に対する権限があると共に、品質、工程、安全、環境等への責任を負っている立場でもある。
しかしながら、多くの現場所長は、部下に嫌われているもしくは煙たがれている。
所長は怖い存在、威厳がある存在等、それには様々な理由があるだろう。
一方で尊敬され、頼りにされている所長がいるのも確かだ。
その両者はどのような違いがあるのだろうか。
一歩踏み込んで検証してみよう。
部下に厳しくあたる
嫌われる所長の特徴をみてみよう。
まずはパワハラまがいの態度である所長が挙げられるだろう。
パワハラまでではなくても、威圧的な所長、詰問するように話す所長など、このような態度の所長の下では、部下は心を削られる。
工事現場は職人さんも多くあまり感じられないが、現場事務所内は意外と閉鎖的で窮屈な場所である。
そのような職場で建物が完成するまでの期間、耐えなくてはならないとなると本当につらいものだ。
そのような所長が嫌われる傾向にあるのは当然である。
顧客にへりくだる
部下に厳しい一方で顧客や設計事務所に対して何も言わないどころか良い恰好ばかりする所長がいる。
結果、契約に入っていないような工事を無償で行うことになり、現場の予算が悪化する。
現場の予算が厳しくなると、現場の雰囲気、というより所長の醸し出す雰囲気は最悪となる。
所長の自業自得なのに、その悪影響をまわりにも与えるのははなはだ迷惑だ。
顧客にもの言う所長
逆に、多少部下に厳しくとも、顧客や設計事務所と信頼関係を築き、言うべきことを言い、できないこと、すべきでないことをしっかり伝え、追加工事のお金をしっかりもらう所長は頼りがいがある。
誰に対しても言うことの筋が通っていると、部下は信頼するものだ。
このような所長は厳しいといえど尊敬される所長と言えるだろう。
現場が見通せる所長
また、現場の中でも一番、経験と技術力があるのも所長である。
そのスキルから、現場先を見通しトラブルになりそうなポイント、大切なポイントを見抜き、実際にトラブルになった際には、適切な対応の指示を出せるかどうかも大切な所長の仕事だ。
それができる所長なら部下が信頼しないはずがない。
「言わなくても分かるだろう」
「言わなくてもやれ」
「こうするのが当たり前だ」
などと思っている所長は論外である。
所長がいない日で分かることがある
所長が部下やまわりの人からどう思われているか、それは所長が会議等で現場にいない時の現場事務所の雰囲気で分かる。
部下たちが、所長がいない日に何とも言えない心の平穏を感じていたり、みんなが活き活きしているなら、それはつまり普段そう思われているということだ。
所長がいなくても、普段と雰囲気が変わらないなら、煙たがられてはいないということだ。
それにより判断できるのだが皮肉なことに、それは所長自身は感じることができない。
冒頭に述べた通り、所長は工事現場の要である。
その所長が顧客や設計事務所、更には部下や職人さんにまで信頼関係を築いている現場で、うまく納まらなかった現場を見たことがない。
そのようなすばらしい所長は稀かもしれないが、決してパワハラ所長、迷惑所長だけではないということを最後に付け加えておきたい。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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