2020.08.02
ゆとり世代の部下はわがまま
「ゆとり世代」とは、「ゆとり教育を受けてきた世代」の事だそうで、それまでの詰め込み教育だった学校の授業時間が格段に削減され、土曜日も徐々に休日になっていった。
目的は詰め込み教育から思考力を鍛える事を重視した教育へ移行するという事で、その教育を受けた世代とは具体的には1987-2004生まれの人たちのことのようだ。
一般的に「ゆとり世代」の人の印象はというと「指示待ち」「怒られ慣れていない」「プライベート重視」「甘やかされてきた」「何を考えているか分からない」「宇宙人(言い過ぎ)」等々と悪いイメージをもつ人が多いのではないだろうか。
たしかにゆとり世代の部下をもつ私などは、そういう人もいて私自身、苦戦しているのも事実だ。
だが、必ずしもそういう人達ばかりではない。
ゆとり世代は実力格差世代
ゆとり世代は一方では優秀な人材の宝庫でもある。
有名人で例を挙げると、錦織圭、田中将大、大谷翔平、本田圭佑、内村航平、浅田真央、羽生結弦等々、世界的に活躍している優秀な人材も多い。
この差の原因は何かを言えば、学校教育における学習時間が減り、空いた時間で何をしてきたかという事につきるのではないだろうか。
つまり、ゆとり世代の多くの人たちがあいた時間をゲームや遊びなどに費やし、いわゆる「ゆとり世代」の悪いイメージの人たちになる一方、スポーツなど一つの事に徹して取り組んだ人たちもいたのだ。
つまり時間の使い方による大きな格差が生まれた世代と言える。
だが悲しいかな、多くの人がその時間を有効に使えてはいなかったようだ。
私のまわりのゆとり世代
私のまわりにもゆとり世代の部下が数人いる。
私が経験した中でもやはり「悪いイメージ」というよりは「格差がすごい」というのが実感である。
エピソードを3つ紹介する。
エピソード1
5人で出張に行った時の朝、集合時間になってもロビーにゆとり世代の新入社員が来ない。
電話をすると慌てて来たが、遅れた理由を聞くと「集合時間を聞いていませんでした」との事。
一同から「聞いてないなら聞けよ!」と総ツッコミを入れられたのは言うまでもない。
エピソード2
ゆとり世代の部下に「これやっといてな」と指示をすると、やったかどうか報告をしない。
こちらから「あれどうなった」と聞くとはじめて「終わっています」もしくは「まだ終わっていません」と言う。
報連相という感覚がないようだ。
だがこの事を以前ツイッターでつぶやいたところ「報告する雰囲気をつくらない、また指導を徹底しない上司がわるい」と忠告をいただいた。
これは確かにそうかもしれないと反省したが、残念ながら未だに彼に報連相を習慣づけるには至っていない。
エピソード3
私は、部下や後輩にアドバイスをする時
①まず全力で1日働く習慣を身につけろ
②それができる様になったら次に思索して1日動く習慣を身につけろ
③最後にロジカルかつ俯瞰して検証する習慣を身につけろ
と指導してきた。
それを実際に実践したゆとり世代の後輩が2人いたたが2人とも私以上の人材に成長してくれそうな大人材だ。
ゆとり世代と付き合う世代
ゆとり世代と付き合うには、優秀な人たちは、何をしなくても成長していってくれるので、そうでない人の仕事の特徴である「指示待ち」「怒られ慣れていない」等の特徴を理解し、向き合い、人材へと育てるスキルを育てる側が身につけなくてはいけないようだ。
至難のワザだが今後の人口減少社会ではそうも言っていられない。
「ゆとり世代」との葛藤は今後もつづく。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
Comments