アルノ

2022年1月30日4 分

都市に住んだ方が資格試験には有利?

2022.01.30

資格試験を受験するにあたり、居住地の違いはその合否に大きく影響を与える。

一見あまり関係ないように思われるが、さまざまな要素において影響があるのだ。

いったいどのような違いがあるのだろうか。

私自身の経験による実感も交えながら居住地によりどのような違いがあるのかを述べていこう。

神戸と仙台の違い

私が神戸に居住していた時、ある試験の会場が大阪の東の端の方だった。

その為、神戸から試験会場までの道中、電車に間違いがないか、降りる駅まであとどれくらいか等が気になってしまい、電車内で勉強をすることができなく、2時間かけて会場へ行ったのだ。

私は試験当日の1時間の勉強は、普段の5時間の勉強に匹敵するほど価値があるいわばゴールデンタイムであると思っている。

そのゴールデンタイムを2時間もみすみす棒に振ってしまったのだ。

一方、仙台に居住していた時、試験会場は仙台市内の中心部であった。

自宅から試験会場まで20分。

自宅を出る直前まで勉強し、早めに試験会場入りし、試験開始直前まで勉強することができた。

移動時間の20分はいい休憩時間となった。

早めに会場入りしたこともあり精神状態もおだやかで勉強することができ、試験では100%の力を発揮する事ができた。

この二つの経験から資格試験における居住地の有利不利を感じたのだ。

試験会場

そもそも資格試験はすべての都道府県で行うわけではない場合が多い。

1級施工管理技士を例に挙げると、試験会場は、札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄の10都市である。

例えば、青森県の人は札幌や仙台まで行かねば受験ができないのである。

これは前述の当日ゴールデンタイムを有効に使えないどころか、金銭的にも負担があるだろう。

もし私が、青森県在住としたら前日に仙台の試験会場近くのホテルに宿泊し、当日のゴールデンタイムを有効に使うだろう。

そうなると交通費と宿泊費に3万円前後かかってしまう事になるのだ。

金銭的に余裕のない20代の受験者にとっては結構な負担だ。

また消防設備士甲種1類という資格は、東京では1年に6回試験を行うのに対し茨城県は年2回である。

そもそも地元で試験にチャレンジできる回数が違うのである。

このように随所で都市と地方における違いがある。

資格支援学校

1級建築士などは独学で受験をする人は少ないだろう。

日建学院や総合資格学院などの学校に通う人が多いのではないだろうか。

総合資格学院では面積が小さく交通機関が充実している東京都には10教室あるのに対し、四国地方の教室は各県の都市部に1箇所ずつしかない。

地方の県においてはその都市部に住んでいなければ、また都市部の現場を担当していなければ教室に通うことが難しく、試験においてかなり不利であるという事になってしまうだろう。

モチベーション

地方在住受験者の一番の弊害は受験に対するモチベーションが上がらないという事だ。

受験するのに各地方の中心県まで行かねばならない。

学校に通うのに都市までいかねばならない。

というのでは、そもそも受験する気が削がれてしまう。

県全体、地方全体で考えると、受験しないという事は当然、資格取得者が少なくなる。

資格取得者が少ないという事は、結果的に年収や、転職に不利となる。

このような悪循環から同じ業種でも技術力格差、年収格差が生まれてしまい、都市と地方における格差を助長してしまうとは言えまいか。

地方在住受験者が不利という弊害に注目する人、団体は今のところ見当たらない。

当然、その解決は見込まれないので、受験者自身が何とかするしかない。

それには、別の記事「施工管理技士試験の本当の受験資格」で紹介した通り「断固として合格するとの固い意志」が必要だ。

居住地の違いにかかわらず、資格取得する強い意志は持ち続けていきたい。

意思ではない、意志だ。


この記事はこの人が書いています。

施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。

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