2024.09.21
ある同窓会でのこと。
私がゼネコンに勤めていることを知っている友人がふと言った。
「ゼネコンの人って職人をこき使うんでしょ」
さらに職人をしている友人が被せて言った。
「ゼネコンってなんで、あんなにえらそうなんだ?」
これが一般的なイメージなのかもしれない。
では実際にはどうなのか、3つ異なる立場から言及してみよう。
建設業界でのイメージ
建設業界では、職人さんから偉そうと思われている節は多分にある。
偉そうかそうでないかの実際は人によるだろうが、ヒエラルキー的に職人さんよりゼネコンの方が上というのが大きいのだろう。
職人さんから見たゼネコンはお客様なのだ。
実際にそれにアグラをかいて威張り散らかしているゼネコン現場監督がいるのも確かだ。
下請け会社の事業主や営業担当に高圧的な所長や主任、職人さんに高圧的な若手現場監督、そんな人たちが現場には多くいるのだ。
なぜ、そのような態度を取るのだろうか。
所長、副所長は原価管理や工程管理の為、若手現場監督は、上司に無理難題を押し付けられる為、それを何とか納めるために話し合いで交渉、説得させる術をあわせ持たず、感情的に押し付けようとするのだろう。
私個人の見解としては、安全上における緊急時や、約束を何度も守らない時に話すより叱った方が、長期的に相手の為になるであろうと判断した時などに敢えて高圧的な態度をとる場合はあるだろうが、それ以外は本人の力不足の現れであると考えている。
実力のある人ほど、謙虚な人が多いというのが私の印象だ。
一般社会からのイメージ
では一般社会からのイメージはどうだろうか。
私がいろんな人と話してきた感じでは、偉そうという印象を持っている人はあまりいない。
まぁ、ゼネコン社員の私に「偉そう」と言うのは相当親しい人だけだろうから、思っていても言わないだけかもしれないが。
「偉そう」という印象よりむしろ、「激務」や「高収入」と思っている人の方が多い気がする。
それらについても「激務」はその通りだが「高収入」については中堅以上のゼネコンに限られると反論したい気もするが。
また、私には、たまに飲みにいく同級生3人組がいるのだが、彼らも偉そうとは思ってないだろう。
しかしそれは、彼らが接する現場監督はおそらく私だけだろうから、私を見て偉そうと思わないだけかもしれない。
「現場監督は偉そうに職人さんに指示をしているだけの楽な仕事」と穿った見方をする人もいないわけではないが、そのような人は稀であるイメージだ。
それらを総合的に考えて一般人はゼネコンを偉そうと考えている人は少ないのではと思う。
ゼネコン内部からみたイメージ
ではゼネコン社員がみた実際はどうなのだろうか。
私が新入社員の頃は、高圧的は人がたしかに多くいた。
他人の人格を否定することに何のためらいもない人達が多くいた。
しかしそれはゼネコンに限らず、昭和の時代には多くいたのではないだろうか。
当時は、「ブラック企業」や「パワハラ」といった言葉すらなかったのだから。
ただそれでも少しゼネコンにそういう人の割合が多かったような気はする。
翻って昨今は、時流からそのような人を許さない風潮が大きくなってきた。
それでも尚、古い人間の中には昔の体質を変えることができず、そのような態度のまま、はびこっている人も少なくないのも事実である。
そのような人は、遅かれ早かれいずれ淘汰されていくだろう。
ゼネコンという会社の立場
ゼネコン社員個人としてはともかく、会社としてはどういう立場なのだろうか。
実際のゼネコンは顧客や設計事務所に無理難題を押し付けられ、下請け会社からは突き上げられている。
特にサブコンからは、建設業界の人出不足も相まって、仕事を請けてもらえず、大きな態度で出られることも少なくない。
最近仕事をしていて思うのは「ゼネコンとはなんと弱い立場なのだろうか」ということとだ。
おそらく、顧客、設計事務所、サブコンを含む下請け会社に対して強く当たれるのは、ごく限られたスーパーゼネコンだけなのではないだろうか。
一括りにゼネコンと思われがちだが職人さんと話をしていると、スーパーゼネコンは偉そうな人が多い、という話をよく聞く。
地場ゼネコン⇒中小ゼネコン⇒大手ゼネコン⇒スーパーゼネコンの順に偉さ加減が大きくなってくのかもしれない。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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