アルノ
世間の現場監督のイメージってどうよ
更新日:2022年5月21日
2022.01.08
現場監督というとゼネコン社員を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。
建設業界で働いている人にとって現場監督はよく知っている身近な存在だろうが、世間の認知度は実はあまりない。
私自身も大学3年時に就職活動をはじめたときは工場の「工程管理」と現場の「工程管理」のそれぞれの内容やその違いを全く知らなかった。
それほど工事現場とは一般世間からは未知の世界なのである。
そもそも工事現場の仕事というイメージがよく思われていないのは残念な事だ。
そのイメージは昔からあまり変わらないのだろうが、それでも昔はカリスマ鳶さんやカリスマ左官屋さんなどがいて、テレビで特集された時代もあったし給料もいいイメージがあった。
人材不足の昨今、建設業全体のイメージアップも急務と感じる。
ともあれ今回は、さまざまな立場から見た現場監督のイメージについて客観的に述べてみよう。
あまり知らない人のイメージ
はっきりいって建築現場をあまり知らない人からみれば、職人さんだろうが現場監督だろうが設計事務所だろうが、もしかしたら発注者でさえ、現場で作業着で働いている人のイメージは一緒だ。
そしてそのイメージは前述のように良いものではない。
現場監督?作業着で仕事?収入が安定してないでしょ、という具合である。
公務員とくらべられたらそのイメージの差は雲泥である。
仮に建設業をあまり知らない両親に自分の結婚相手を紹介する時、その相手が現場監督の場合と教師や警察官である場合の違いを想像すると何となく分かるのではないだろうか。
ちなみにある調査による現場監督のイメージアンケートの第一位は「怖い、いかつい、短気」だそうだ。
少し知っている人のイメージ
世間でも現場監督という職業を知っている人であれば、工事を管理する人と分かるだろう。
さらに大手ゼネコン社員と聞けば、立派な会社員というイメージではないだろうか。
しかし、その仕事内容までは分からないだろう。
あくまでも工事を管理している人という漠然としたイメージを脱しないのではないだろうか。
自分の家族でさえ、きっとどのような仕事をしているかを具体的には知らないに違いない。
ゼネコン新入社員のイメージ
「オレこんな事をやる為に大学を出たんじゃねぇ!」
先輩につれられて狭いピットの中で汚れながら仕事をしていた若手社員が思わず心の中で叫んだ言葉だ。
きっとゼネコン新入社員は事務所で現場を管理するというイメージの人が多く、現場作業のようなことは一切しないと思う人が多いのではないだろうか。
だから、実際に現場に配属されて、職人さんと一緒に泥にまみれて建物を建てる事になるとそのギャップに戸惑う人も多いようだ。
現場監督本人のイメージ
現場監督を何年もしてきた私の現場監督のイメージがもっとも現実に近いに違いない。
現場監督とは・・・なんとも言葉にしにくい。
以前、職探しをしていた同級生が「オレも現場監督やろうかな」と言っていたとき、全力で反対してしまった。
中途半端な気持ちで勤まるほど、甘い職業ではないからだ。
大手ゼネコンという枠で考えると
・一部上場企業
・高年収
・長時間労働
・奥さんは寂しい
・子どもとなかなか遊べない
と良い面、悪い面が見えてくる。
現場監督は確かに大変な職業だ。
しかしながら建物を建てると言う事は自分が生きた証をこの世に何十年も残す事にもなる。
シンボリックな建物であれば尚更だ。
東京タワー建設にたずさわった監督や職人さんはきっと生涯誇りに思い、子供や孫に自慢していたことだろう。
その子供や孫も誇りに思っているかもしれない。
「うちのおじいちゃん東京タワーを建てたんだって」
という具合に。
家族理解があればこれほどやりがいのある職業はないと言えるだろう。
結局、現場監督について現場監督本人のイメージが一番あやふやな表現になってしまった。
現場監督の本質を言葉で表現するとはなんとも難しい。
世間から見た現場監督のイメージは建設業界のイメージと密接に関連している。
現場監督のみならず、建設業界全体のイメージを良くし、カッコいい、憧れる、将来なりたいと子供たちから言われる憧れの職業にしたいものだ。
打倒ユーチューバー!
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。