2023.12.30
感電を経験したことがある人は、どれくらいいるのだろうか。
実は、私は3回ある。
感電すると死亡する危険があるので、基本的には感電すると漏電遮断器で電気を遮断する仕組みになっている。
実際に私も3回とも漏電遮断器で命を救われた。
普通に生活していれば感電することはほとんどないだろうが、注意喚起の意味も含めて、今回は感電の恐怖をお伝えしたい。
感電死傷事故
全国で感電による死傷事故は、2019年度から2021年度までの3年間で133件(死亡14件、負傷119件)報告されている。
また感電死傷事故は夏場に多く、また漏電遮断器等で保護されていない高圧の箇所で多く発生しているようだ。
その内、死亡事故についても年間約5件前後あるというデータとなっている。
決して少ないとは言えない。
電気の種類
我々が生活する上で電気と言えば交流100Vを思いうかべる。
実はそれ以外にも電気にはいくつか種類がある。
交流100Vは別名単相100Vと呼ばれ、その他に単相200V、そして三相200V等がある。
単相200V、三相200Vは生活していてあまりなじみがないが、単相100V⇒単相200V⇒三相200Vの順番で電気のパワーが強くなると思えばわかりやすい。
イメージしやすい例を言えば、一般コンセントは単相100V、IHヒーターやリビングルームに設置するような大きめの空調機の電源は単相200V、エレベーターやエスカレーターの電源は三相200Vといった具合だ。
単相100Vの感電体験その1
私の感電体験はいずれも新入社員の時だ。
人生で初めての感電は、雨の日だった。
雨ざらしになっている電工ドラムを、雨がかからない場所に移動しようとした際に感電した。
おそらく電工ドラムに接続されている電動工具の、濡れたケーブルの表面を伝って感電したのだろう。
すぐに漏電遮断器が作動したが、腕全体にものすごい衝撃が走ったのを覚えている。
しかし衝撃に驚いているヒマはなく、電気が遮断され電動工具が使えなくなった型枠大工さんから「何しとるんぢゃぁ!」との怒号が響き、新入社員の私にはそちらの衝撃の方が大きかった。
すぐに、漏電遮断器を復旧するために、分電盤に向かった。
三相200Vの感電体験
三相200Vの感電はかなりの衝撃であった。
その瞬間は突然やってきた。
やはり雨の日の工事現場。
仮設電気の分電盤を開けると、そこにはブレーカーから外れかけたケーブルがあった。
そのケーブルの状況を確認しようとして触れた瞬間だった。
単相100Vとは比較にならない衝撃が全身をはしり、三相200Vの漏電ブレーカーが落ちる大きな音が鳴り響いた。
あわや尻餅をつくほどの衝撃だった。
原因はそのケーブルが濡れていて、身体を通って水たまりに漏電したようだ。
あまりの衝撃に10秒ほど動けず、その後右腕に麻痺による違和感が1週間続いた。
雨の日の仮設電気は本当に危険なので、十分すぎるほどの注意が必要だ。
単相100Vの感電体験その2
単相100Vの2回目の感電は仕上げ工事中だ。
受電後、各室の本設照明も点灯しはじめたころ、天井内の確認をしているときにそれは起こった。
点検口から天井内を覗いていると、転がっている不要電線があった。
その電線を取ろうと腕を伸ばした時に感電し、部屋が暗くなったのだ。
どうやら不要電線と思われたそれは活きており、照明器具からはずれたものだったようだ。
電線の導体部分が軽鉄に触れ、その軽鉄と体が接触していたために感電したようだ。
1回目の単相100Vに感電した時と同様の衝撃があったが2回目だったからか、それとも三相200Vの感電を経験したからか「ああ、この感覚ね」という感じであまり驚きはなく、何事もなかったように、分電盤のブレーカーを上げにいった。
慣れたからなのだろうが、一歩間違えれば命の危険があることを考えれば、決して慣れてはいけない経験だと後から思ったものだ。
これらの体験を通じて、勘違いしてほしくないのは、たとえ単相100Vでも感電すれば死亡する可能性があるということだ。
電気の種類によらず50mAの電流が人体に流れれば死に至ると言われている。
感電を舐めてはいけない。
普段の生活においてもコンセントの抜き差し時等、感電にはくれぐれも気を付けたいものだ。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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