2023.03.25
資格を取得していない人のその言い訳ともとれる理由の中に「資格を持っていても仕事ができなければ意味がない」「資格を持っている人ほど仕事ができない」「資格を取得できるのは仕事がヒマな人だ」等々がある。
しかも、彼らの言い分はあながちウソではない。
実際に、資格を取得していないのに仕事がバリバリできる人は一定数いるし、逆に資格は取得しているのに仕事ができない人がいるのも事実だ。
特に後者のような人がなぜいるのだろう。
資格は仕事に役立つもののはずなのに、仕事ができないというのは悲しいことだ。
そのような人がなぜいるのか、そのような人にならないためにも理由を考えてみよう。
資格マニア
まず考えられるのは資格マニアだ。
彼らは資格を取ることが目的となってしまっている。
仕事に役立てるために資格を取るという意識や考えはない人たちだ。
だから試験が終わった瞬間に勉強した内容も忘れるし、そもそも試験に合格するための勉強しか行っていない。
彼らにとって資格は自分のキャリアを着飾る洋服にすぎないのである。
ここで間違えないでほしいのは取得している資格が多いからといって資格マニアとは限らないことだ。
実際に私も1級施工管理技士を4種類取得しているが、決して資格マニアではない。
学んだ知識、技術を仕事に活かす努力を定期的にしている。
これをするかしないかも両者の違いを判断する一つであろう。
地頭は良いが他の能力が低い
資格試験は、大部分が知識量を問われるものである。
従って記憶力が良い、試験に慣れている等の能力が高い人は取得しやすい傾向があるのは事実だ。
しかし、実際の仕事はどうか。
知識だけでは仕事にならない。
コミュニケーション能力、資料を作成する能力、発表する能力、仕事を企画計画する能力、新しいものを生み出す発想力、人を束ねる能力等、問われる能力は多岐に渡る。
つまり知識だけで仕事はできないのである。
では、なぜ資格試験があるのか。
それは、仕事をする上で知識が最低限度の必要な能力だからだ。
資格取得により知識の担保がなされて、はじめて仕事ができる、できないという土俵に立つことができると考えるとよいだろう。
資格を取得してからが、本当の勝負ということだ。
逆に、資格がなくても上述したような能力が高い人は一見仕事ができるように見える。
しかし資格を取得していないということは、仕事の基本となる知識が浅いということの裏返しともいえるのだ。
厳しくいうと、資格すら取得していないのに、自分は仕事ができると思うのはおこがましいということだ。
経験が浅い
これは若い人に多いことだが、実務経験が浅いという理由もある。
実際の仕事は資格取得で身につけることより、実務で身につけることの方が圧倒的に多い。
しかし実務によるそれは、やる気と経験により身につけでいくしかない。
前述したが、資格取得は仕事で必要になる知識という最低限度の能力にすぎない。
しかし、それを持っているということは、持っていない人より一歩前にいるということだ。
また、知識がない人より知識がある人の方が、同じ経験をしても得るものは多いだろう。
資格取得にはゴールがあるが、仕事にはゴールはない。
学び続ける姿勢、経験し続けようとする姿勢こそ大切である。
仕事に思索と行動がないから
仕事をする上で大切なことは、思索と行動である。
考えて動くということだ。
言い換えると能動的に動くともいえる。
逆に受動的に動く人は、そこに思索はない。
長期的にみてどちらの方が、仕事ができるようになっていくかは明らかである。
例え資格を取得している人でも仕事の姿勢が受け身であれば、仕事ができる人にはならないということだ。
せっかく資格を取得しているのだから、それを活かすためにも能動的に思索と行動をしていきたい。
資格取得によって得られる知識というものは、いわば先人たちが獲得したものでもある。
それを自分で経験することもなく学べるということは非常にありがたいことだ。
資格を取得せず、それを自分の経験のみで得ようとしたらとても大変なことだし、おそらく無理であろう。
資格を取得し、経験を重ね、思索し、行動することにより、その知識と経験を仕事に活かすという姿をめざすべきである。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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