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  • 執筆者の写真アルノ

資格試験が終わった瞬間に何も残ってない人

更新日:2022年12月24日

2022.12.17

「資格試験など意味がない」といわれる方をよく目にする。


そういう方には二種の理由があるようだ。


一つは、資格が取れない人がその嫉妬から資格より実務が大切というパターン


もう一つは、資格を持っている人がその経験から資格に合格しても勉強した内容をすぐに忘れてしまうからというパターンだ。


前者は特に反論する必要はないが、後者は由々しき問題だ。


本来資格は、試験勉強を通して知識を獲得するもののはずなのに、せっかく獲得した知識を忘れてしまったらそれこそ無駄になってしまう。


そうならないための資格試験とするためにはどうすればよいか。


今回は資格試験にとってとても大切なこのテーマについて述べてみたい。



島津忠良(日新斎)のいろは歌

薩摩の戦国大名島津家。


その草創期の当主に島津忠良という人物がいる。


彼は武士の教育が大切との信念から「日新公いろは歌」というものを作成した。


それがのちに自らが「義久は三州の総大将たるの材徳自ら備わり、義弘は雄武英略を以て他に傑出し、歳久は始終の利害を察するの智計並びなく、家久は軍法戦術に妙を得たり」と評価した4人の孫を育て、果ては西郷、大久保などの幕末の英雄たちを育てる基礎となった。


その日新公いろは歌の一首目にはこうある。


「いにしへの道を聞きても唱へても わが行に せずばかひなし」


意味は、昔の聖人賢者が説いた立派な教えや学問も口に唱えるだけでは、なんの役に立たない。


実践、実行することがもっとも大事である。


というものだ。


資格試験に合格しておきながら、学んだことを忘れるということは、この歌の甲斐なき者となってしまうと言えるだろう。


勉強のための資格

このような甲斐なき者の意見が冒頭にあげた後者のようなものとなってしまうのだ。


たしかに内容を忘れても、資格を取得しているという結果が大切だという見方もできるだろう。


たしかに一級建築士や1級施工管理技士などは官公庁の工事を受注するための計審にも貢献できるし、監理技術者になることもできる


でもそれだけではあまりにも寂しい。


どうせなら勉強した内容を実務に活かしたいというのは誰もが思うところだろう。



実践の為の資格

その一方で、資格試験を勉強した人は必ず「ああ、あの時勉強した内容はこういうことか」と現場で気づくという経験をしたことがあるだろう。


また逆に勉強をしていて「ここに書かれていることは、あの時経験したことだな」ということもある。


あるいは「試験の勉強した時にこう学んだから、この場合はこうなるに違いない」ということもあるだろう。


これらの経験こそが、資格試験を実践に活かされた瞬間と言える。


つまり、これらの経験を増やすことができてはじめて「勉強のための資格」で終わらず「実践の為の資格」とすることができるのだ。



学んだことを忘れないためには

では、勉強した内容を忘れず実践の為の資格とするにはどうすればよいか。


それは、勉強したことを定期的に無理やり思い起こすことである。


そのためにはどうすればよいか。


私は数年前、1級電気通信工事施工管理技士という資格を取得した。


試験の直前の一週間には3周テキストを見返すことができるほどテキスト内容を理解していた。


しかし1年もしたらその内容もすっかり忘れてしまっていた。


そこで年に1回、丸一日を使ってテキストを見返すということを始めたのだ。


実際にやってみると、何度も学んだことを思いのほか思い出すことができ、記憶をより深めることができた。


それを行い続けて数年。


実際には数年間で数日しか勉強していないわけだが、試験で学んだ内容についてかなり深い記憶と理解をすることができている。


そして、その知識を仕事でふんだんに活かすことができている。


ぜひお勧めしたい方法である。




資格試験の勉強方法での注意点

しかしながらこれを行うには一つ条件がある。


資格試験を勉強する時に、知識を身につける勉強でなく、合格するための勉強をしてきた人、具体的には問題集のみを勉強し合格した人にはこの方法が使えない。


問題集と共にしっかりテキストを読み込んだ勉強をした人に有効な方法だ。


そもそも資格試験に臨む姿勢として、知識を技術力をつけようとの思いが大切ということだ。


ぜひ、資格試験を勉強する時のマインドとして、技術力を身につけるために資格を取得するのだという思いにたってほしい。



今回は、資格試験で得た知識を自分の技術力にする方法について述べた。


せっかく学んだことは資格とともに技術力として身につけたものだ。


一流の技術者に近づくための一助としてぜひ参考にしてほしい。






 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。


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