2022.11.05
どの業界、どの会社でも同じだと思うが、新人は覚えることが多い。
中でも現場監督は仕事内容が広範囲に渡るだけに、特に多いと言えるだろう。
新人の現場監督が覚えてほしい、やってほしい仕事を言えば「現場の朝礼の準備」「現場の掃除」「工事写真の撮影、整理」「コンクリート工事担当」等、具体的な内容は様々あるが、それらの詳細は他のサイトやブログにお任せして、ここではそれらを身につけるための大切な、体の使い方、心の使い方、頭の使い方について言及したい。
それこそが私が考える新人現場監督がやること、やってほしいことだ。
毎日一生懸命仕事をする
まずは一日そして一週間、一生懸命仕事をする心の強さと体力をみにつけてほしい。
新人、なかでも学卒新入社員は一年前までは学生だった人がほとんどだろう。
学生の時は勉強に一生懸命だった人も多いだろうが、社会人は学生の時以上に心身ともに要求される内容が厳しくなる。
また、社会人としての生活のリズムに慣れることはなかなか難しいものだ。
特に学生時代に一生懸命勉強することから逃げてしまった経験のある人は、逃げ癖がついてしまう可能性も高い。
社会人になったにも関わらず漠然と仕事をして、いかに手を抜くか、いかにさぼるか、いかに早く帰るかを考えている人もいるのが現実だ。
そのような考え方では仕事が成果に結びつきにくい。
しかし社会人は成果が求められるのだ。
一日も早く一生懸命働ける精神力と体力を身につけてほしい。
すべてはそこから始まる。
それができて初めて立派な社会人としてのスタートラインに立つことができるのだ。
今日一日のスケジュールを決めて動く
一生懸命働けるようになったあと次に身につけてほしいことは、その一生懸命働けるようになった貴重な一日という時間をより密度の濃いものにする為に、今日行う仕事を明確にするということだ。
現場を巡回し、片付けをし、職人さんと話しをすることも大切な仕事だ。
しかし同じ仕事をするにしても「今日はあそこを片付けないと職人さんが仕事をしづらいだろうから、片付けをしてその上で、詳しい作業内容を職人さんに伝えよう、その後は少し時間が空くからその時間を利用して次の作業場所の状況を確認しよう」ということを朝、できれば前日帰るまえに明確にする。
そしてその内容を簡単な箇条書きでもいいのでスケジュール化することにより、無駄な時間、無駄な動き、やり忘れを防ぐことができ、密度の濃い一日をすごすことができるようになる。
ぜひ、身につけてほしい。
先を考えて今日のスケジュールを決める
スケジュールを決めて動くことができるようになったら次は先を考える習慣だ。
3日後、1週間後までに何をしなくてはならないかを考え、それをいつやるかをスケジュールに組み込むのだ。
3日後までに行うことなら、3日後までのいつやるか1週間後までに行うことならば明日やるのか3日後に行うのか、5日後に行うかという具合に決めるのだ。
これを管理するには箇条書きでは間に合わないのでスケジュール帖やタスク帖などを利用するとよいだろう。
これを繰り返していくと、おおよそ1週間後までのスケジュールが決まってくる。
仕事ができるようになると1か月後まで埋まってくるようになる。
大会社の役員ともなると1年後までの予定が粗方決まっている人も多い。
私も専務や常務を会議に呼ぶのに秘書の方にスケジュールを打診するのだが1年前にお願いして、やっと確保できるという具合だ。
まずは、1週間後までのスケジュールが決まるようになれば、急に上司や先輩に仕事を振られた時、職人さんに急に頼まれごとをされた時に、いつその仕事をやる時間があるか、あるいはないかが自分で把握できるようになる。
つまり、計画的な対応、臨機応変の対応ができるようになるのだ。
効率化を考えてスケジュールを決める
ここまでできるようになれば、もはや新人とは呼べないくらい仕事ができる立派な社会人といえよう。
そしてその後、できれば新人と言われる最初の1年間の間に身につけてほしいことは、スケジュールを決めるにあたって効率化を意識することだ。
「躯体図の全体を把握、確認するのは職人さんから呼び出されると集中して行うことができないから落ちついている日にやろう」「現場巡回が長いと書類作成が終わらないから効率よく回って時間を確保しよう」
「今日は昼過ぎに隙間時間がありそうだから、その時間を使って写真整理をしよう」というようにスケジュールの効率化を常に念頭に置きながら仕事をするのだ。
これが、残業をなくす第一歩にもなり、何も考えず仕事をしている人と実力差をつける大きな要因にもなる。
ぜひ、最初の1年間でここまでできるようになってほしい。
ここまで紹介したことは、2年次3年次でもできている人は決して多くない。
なぜならこれらを身につけようと思って仕事をしていないからだ。
しかしこれができなければ、主任、所長なった時に求められる、現場全体をQCDSを確保しながら納めるというような長期的な仕事ができるようにはならない。
もし若手の現場監督でこれらをできていない人がいたならば、焦りをもって一日も早くこの習慣とスキルを身につけるべきだ。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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