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執筆者の写真アルノ

1級施工管理技士は足切り問題があるの!?

2022.04.16

令和3年度の施工管理技士試験制度の変更に伴い、1級施工管理技士第一次検定試験において足切り問題ができた。


今までの第一次検定試験では、数ある問題から、60問選択肢しその内、36問正解すれば合格だった。


例えば1級建築施工管理技士では72問の内、36問正解すれば合格、しかも全て4択問題という合格する気しかしない問題構成だったが、足切り問題が発生した事により合格が一気に難しくなった印象が否めない。


そこで今回は、令和3年度の試験において、実際に足切り問題がどのような構成になっていたか、それをどのように捉えればよいかを1級建築、電気工事、土木、管工事、電気通信工事の各施工管理技士試験に注目し解説する。



足切り問題の構成

国土交通省が事前に発表した各施工管理技士の第一次検定の合格基準は以下のようになっている。


・1級建築施工管理技士       72問出題 60題解答 36問以上正答合格

またその内、応用能力問題60%正答で合格

・1級電気工事施工管理技士     92問出題 60題解答 36問以上正答合格

またその内、応用能力問題50%正答で合格

・1級土木施工管理技士       96問出題 65問解答 39問以上正答合格

またその内、応用能力問題60%正答で合格

・1級管工事施工管理技士      73問出題 60問解答 36問以上正答合格

またその内、応用能力問題50%正答で合格

・1級電気通信工事施工管理技士   90問出題 60問解答 36問以上正答合格

またその内、応用能力問題40%正答で合格



実際の出題構成

では実際にはどのように出題されたのだろうか。


各施工管理技士の実際の問題構成は以下のようになっていた。



・1級建築施工管理技士

施工管理法の応用能力問題(足切り問題)はマークシート五肢二択で出題。


60%以上の正答を求められ、令和3年度の第一次検定では6問中4問以上の正答が合格の新たな条件。


1級建築施工管理技士については、試験制度が変更になって初めての試験でもあり、しかも五肢二択つまり五つの選択肢の内、二つ選んで両方とも正しくないと正答とならないという高い難易度の足切りであった為に、正答率が低くなってしまったようだ。


その為、足切りラインは当初の発表の60%から50%に引き下げられ6問中3問以上で合格となった。


それでも第一次検定の合格率は令和2年度の51%から令和3年度は36%と15ポイントも低くなった。


・1級電気工事施工管理技士

施工管理法の応用能力問題(足切り問題)はマークシート五肢一択で出題。


50%以上の正答を求められ、令和3年度の第一次検定では6問中3問以上の正答が合格の新たな条件。


・1級土木施工管理技士

施工管理法の応用能力問題(足切り問題)はマークシート四肢一択で出題。


60%以上の正答を求められ、令和3年度の第一次検定では15問中9問以上の正答が合格の新たな条件。


・1級管工事施工管理技士

施工管理法の応用能力問題(足切り問題)はマークシート四肢二択出題。


50%以上の正答を求められ、令和3年度の第一次検定では7問中4問以上の正答が合格の新たな条件。


二択の分、少し難易度が高い印象を受けるが50以上の正答という点を考えると妥当なところなのだろうか。


・1級電気通信工事施工管理技士

施工管理法の応用能力問題(足切り問題)はマークシート四肢一択で出題。


40%以上の正答を求められ、令和3年度の第一次検定では5問中2問以上の正答が合格の新たな条件。


1級電気通信工事施工管理技士の出題方法が少しいじわるなのは、「正しいものを全てあげなさい」といいながら正解は全て一つという点だ。


まぁ、他の施工管理技士に比べ40%という低い正答で合格なので少しいじわるしたのかもしれない。


この様に、各1級施工管理技士で出題構成と合格基準がまちまちであり、それがそのまま試験自体の難易度にもなってしまったようだ。


1級電気通信工事施工管理技士が他に比べて極端に難易度が低いのは電気通信施工管技士の試験がまだ3年目であり、技士を多く輩出したいという出題者側の思いがあるようにも思われる。


いずれにしても令和3年度を踏まえ、令和4年度以降の出題方法が変わることがあるかもしれないが、国土交通省発表の合格基準については令和4年度も変更ないようだ。



足切り問題対策のポイント

足切り問題を含めた第一次検定試験対策のポイントは勉強の優先順位だ。


あまり問題が出ない項目の勉強に大きく時間を割くより、多く問題がでる項目をより多く勉強した方が、合格に近いことは自明の理だ。


そこに足切り問題の優先順位を的確に組み込み検討することが大切だ。


その上で、どう優先順位を設定するか。


今までの試験問題、特に令和3年度の試験問題の構成をよく分析し、項目ごとに勉強時間をどう割り当てるかをよく検討することが第一次検定の合格に直結するだろう。




第一次検定の優先順位を含めたく詳しい勉強方法はこちら






 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。



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