2020.08.09
工事現場における新規入場者教育で高齢者がくると現場監督はビビる。
なぜなら高齢者の現場作業は危険だからである。
工事現場における災害という言葉の重さ
工事現場に「安全第一」との標語を掲げているのはだれでも知っているだろう。
それほど工事現場では安全について徹底して追及し、管理している。
それには次の理由がある。
・建設業は全産業の内、死亡災害が一番多い
・死亡災害が起こると現場が止まり、会社が罰せられる
・指名停止等、営業活動にも影響があり会社の利益に直結する
・本人、遺族に対する負担が大きい
国は何とか建設業の死亡災害を減らす為、建設会社や建設業従事者に安全意識を高め、具体的な対策をさせようとしているのである。
働き方改革による高齢者の就業促進
そのような中、「働き方改革」が行われ、その大きなテーマ「一億総活躍社会」を掲げ、その中の施策の一つに「高齢者の就業促進」が行われるようになった。
最近は60歳以上の元気な高齢者は多くなり、また高齢者の貧困をなくすため、そして少子高齢化社会による労働力不足を補うため、それを全産業すべてにおいて行う事になったのだ。
実際に最近の工事現場では高齢者が増えてきている事が肌身で実感するようになっている。
建設業界における高齢者の就業促進は危険
しかしながら、前述した通り、工事現場は危険なのだ。
いくら元気とはいえ、運動能力は若い頃に比べ確実に落ちているであろう。
現に高齢者の死傷災害が昨今、目に見えて増えてきている。
実際にデータ上からも建設業における死傷災害件数は60代以上が全年代の25%と最も多くなっている。
国は建設業の死傷災害を減らしたいが、同じく国の施策により高齢者が現場に入る事により建設業の死傷災害が増えるという矛盾が生じている状況なのだ。
新規入場時に運動能力テスト導入を
そこで、高齢者が工事現場に入る際に、一つ条件をつけてはどうだろうか。
能力確認テストの導入である。
現場で作業するには、最低次のような能力があってほしい。
・運動能力(基本的な体を動かす能力)
・反応能力(瞬間的に体を動かす能力)
・視認能力(視界に入ったものを認識する能力)
・思考能力(適格な判断をする能力)
以上の内容については、専門家の意見を聞き、能力の項目や度合い等は検討する余地があるだろうが、このような制度を整備して高齢者が安心して働け、工事管理者も安心できるようにしていただきたい。
国交省他、関係省庁の今後の施策に期待したい。
この記事はこの人が書いています。
施工管理技士アルノ
1級建築施工管理技士
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。
現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、
2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。
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