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  • 執筆者の写真アルノ

現場監督は楽な仕事と思っていたウチの父

2023.04.15

私が学生の頃に大手ゼネコンへの内定が決まった時、そのことに対しウチの父親は私に何も言わなかったが、あとから母親に聞くととても喜んでいたようだ。


その理由は、大手建設会社に決まったからというより、現場監督という仕事についたからのようだ。


なぜなら父親は、現場監督を楽な仕事だと思っていた節があるからだ。


その後、息子がブラックゼネコンでとんでもない目に合うとは露ほども思ってなかったに違いない。



道を歩いていたある日の出来事

私が小学校高学年の頃だったであろうか。


父親と一緒に道を歩いていると電柱で外線工事をしていた。


一人は電柱の上で配線工事をしている電工さん、そしてもう一人は現場監督であろうか、電柱の下でその様子を見守っていた。


それを見て、父親がつぶやいた。


「一生懸命仕事をしているのに、もう一人は見守っているだけか。こういう楽な仕事ができるといいなぁ。」


そしてその息子は十年後、その工事を見守る仕事をすることになった。


しかしその仕事は楽どころか過酷そのもので、息子はブラックゼネコンという環境で地獄を見ることになる。


父上様、現場監督は楽な仕事ではありませんでした。



大手ゼネコン内定が決まって

大手ゼネコンへの内定が決まってから入社までの期間、父親は私が社会人としてやっていけるか心配だったらしく、いろいろ口うるさく言っていた。


今でも覚えているのは「会社を辞めたら、絶対給料が下がるからその事をよく覚えておけ」という言葉だ。


それに縛られたのだろうか、当時のブラックゼネコンがどんなにつらくても私は辞めることができなかった。


今思えば、潰れなくて本当によかったと思う。


その後ヘッドハンティングを受け転職する際も、父親によく説明をして理解を得られたので親子でもめることもなかった。



ゼネコン入社後の父親の様子

入社すると、私の配属は地方の支店となった。


実家から新幹線と特急を乗り継いで5時間ほどかかる場所だ。


従ってお盆、正月、GWしか実家に帰らない生活となった。


帰った時も仕事の様子を聞かれた記憶はない。


私も仕事はつらくはあったが、社会とはそういうものだと思い込んでいたので、特に愚痴を言うこともしなかった。


それどころか、根が引きこもりの私は、はじめての一人暮らしを満喫していて、つらくとも楽しい一人暮らしライフを満喫していた。


父親からみると、たまに帰ってきてもつらそうにはしていないので、一人暮らしをさせているとはいえ、そこまで心配はしていなかっただろう。


我ながら親孝行な息子だ。



またゼネコンに入っている息子

転職して発注者になったが、その後再び大手ゼネコンに転職した。


幸い大手なので給与面等の待遇もよく、立派に社会人としてやっているので、フラフラしてはいるが、親不孝はしていないと思っている。


父親は数年前に亡くなってしまったが、葬儀の時に様々な人に話しを聞くと、自慢の息子と思ってくれていたようだ。


そんなことは私には少しも言わなかったが。


亡くなる前に一つだけ後悔があると言っていたのは、私が学生の時、大学から連絡があり大学院に進学してほしいと懇願されたが、経済的な理由で行かせることができなかったこと。


もし行けても行く気はなかったので全然気にしないのだが。


今思えば私の現場監督人生は、一緒に道を歩いた小学生の時の認識違いのあの言葉から、はじまったのかもしれない。



現場監督という仕事

現場監督という仕事は、一見作業はしないし、見ているだけだし、一般的には楽そうに見える。


一緒に仕事をしている職人さんでさえそう思っている人がいるほどだ。


しかし今、働き方改革に伴う長時間労働是正がもっとも困難と思われている仕事が現場監獄でもある。


現場監督が自他共に認める立派で誰もが憧れる仕事となる日がいつかきてほしい。



今回は、父親の言葉を借りて、現場監督という仕事の一般的な認識について語ってみた。


現場監督という仕事の外から見た認識と、中からみた認識を差がよく分かったのではないだろうか。


現場監督の待遇は年々改善してきている。


業界全体をあげて取り組んでいるのできっと数年後には実現していることだろう。

そう願いたい。






 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。


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