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「建物を建てる手順」・・・ゼネコン目線の場合

更新日:2021年3月27日

2020.10.17

前回は発注者目線での「建物を建てる手順」を述べたが、今回はゼネコン目線、つまり建設会社からみた場合の「建物を建てる手順」について述べていく。


前回も触れたように、ゼネコン目線での「建物を建てる」とは発注者の目線でみた場合のごく一部である「建設工事」の事を指す。


しかし「建設工事」と一言にいってもその手順は非常に複雑である。

以下、順番に追ってみよう。



杭工事

厳密にいうと、工事を始める前には工事現場を区画するために仮囲いで現場全体を覆ったり、仮設事務所を建てたりといった事前の作業があるのだが、今回はそれらについては省略する。


まず、建物の下に設置する杭を作成する工事を行う。


杭とは建物が地震などにより傾いたりしないよう盤石な地盤に建物を固定するために行う工事だ。


いわば、この杭により大地と建物が一体になるという大事な工事だ。


この工事は杭屋と言われる専門工事会社にて行われる。



基礎工事

続いて行うのは基礎工事だ。


基礎は建物の最下層となる構造物で杭と建物を連結するとともに、建物の加重に耐える非常に重要な部分の工事となる。


よく、スポーツや人生においても「基礎が大事だ」といわれるが、建物においても基礎は最重要箇所である。


そして多くの建築工事の場合、前述の杭工事と基礎工事を合わせて全体の工期の2割から3割もの期間をかける。


それだけ時間をかけてじっくり建てる事からみてもその重要性が分かるであろう。


人生においてもその基礎となる10代20代が非常に重要である事にもよく似ている。



躯体工事

躯体工事は建物の骨格をつくる工事だ。


建物を人間の体で例えると骨の部分といってもいいだろう。


この工事は鉄筋コンクリートでつくったり、鉄骨でつくったり、あるいはその両方である鉄骨鉄筋コンクリートでつくったりする。


鉄筋コンクリートの場合基礎工事と躯体工事は鉄筋屋、型枠大工、そしてコンクリート打設会社で行われる。


鉄骨工事の場合の躯体工事は鉄骨トビが組み立てていく。



仕上げ工事

躯体工事が終わると躯体業者は現場から去り、変わりに仕上げ工事会社が入ってくる。


ゼネコン担当者も自身の担当が躯体工事から内装工事に変わっていく。


一言に仕上げ工事と言っても、建具工事、内装工事、防水工事、塗装工事等様々な専門会社がある。


人の体で例えると、筋肉や脂肪といった部分になるだろうか。


建物の見た目となる表面にあらわれてくる部分となる。



外構工事

建物がおおよそできあがると、建物廻りの工事を行う。


それが外構工事だ。


建物廻りでは、植栽工事、舗装工事、ライン工事等の工事がある。


建物にアプローチする部分の工事である。



設備工事電気工事

さて一通り、建設工事の手順を述べてきたが、実は大事な工事が抜けている。


人の体が、骨と肉だけでは成立しないように建物も躯体工事や仕上げ工事だけでは成立しない。


人の体には内臓、血管、神経といったものが必要だ。


それが建物でいうところの設備工事、電気工事だ。


設備工事とは給排水、衛生、空調設備工事を指し、電気工事とは強電、弱電設備工事を指す。


前者は血管や内臓、呼吸器にあたる部分、後者は神経にあたる部分と言えようか。


この両者がなければ建物はただの箱に終わってしまう、それくらい重要な工事だ。


特に最近の建物は、より設備電気工事に重きを置かれるようになってきており、場合によっては躯体工事仕上げ工事を合わせた工事金額よりも設備工事電気工事の工事金額の方が多いような用途の建物も増えつつある。



以上が、ゼネコン目線での「建物を建てる手順」だ。


建物を建てるとはこれらの手順、専門工事等が複雑に組み合わさってできていくものなのだ。


時代が変わり、最近ではコンピューター技術を駆使して建てるようになってきているが、いつの時代になっても建物をつくるという事は大変な仕事だという事は変わらないというのがゼネコンを数十年経験してきた者の実感である。


今後もそれは変わらないだろう。


また、いい建物を建てるという思いも、いつまでも変わらないままでいたいものだ。





 

この記事はこの人が書いています。


施工管理技士アルノ

1級建築施工管理技士

1級電気工事施工管理技士

1級管工事施工管理技士

1級電気通信工事施工管理技士の資格を取得。

現場監督としての体験、施工監視技士試験の勉強法、

2度の転職経験から得た建設業における転職ノウハウを紹介しています。


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